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YouTube、一部ユーザはプレミア未加入でも広告が流れない?原因は不明

文=Business Journal編集部
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「YouTube」より

 動画共有サイト「YouTube」で、なぜか一部ユーザにおいて、有料プランのYouTube Premiumに登録していないにもかかわらず動画再生中に広告が流れないケースがあるという情報が話題を呼んでいる。どのようなユーザ、どのようなケースの場合にこうした現象が起こるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

 エンターテインメント系のみらなず、教育系や実用系、ビジネス系などあらゆるジャンルのコンテンツがそろい、今や情報収集ツールとしては欠かせない存在になったYouTube。企業にとっても広告・マーケティングツールとして無視できない存在となり、YouTubeを含む動画広告の市場規模は5601億円(2022年度)にまで成長(サイバーエージェント調査による)。今後も拡大が続くと予想されている。

 YouTube動画の制作・配信をメインの仕事として生計を立てるYouTuberも、高収入が期待できることから子どもたちの憧れの職業の一つに。例えば人気YouTuber・ラファエルは20年に自身の年収について5億円以上であることを明かしており、22年にはヒカルのYouTubeチャンネルに出演した際に「月のアベレージ3000(万円)くらい」と告白。武田塾英語課課長でTOEIC満点110回の実績を持ち、英語学習のノウハウに関する動画を多数投稿している「もりてつ」は22年の年間収益が2000万円を超えていたことを明かしている。もっとも、YouTuberの増加に加え、芸能人など著名人もこぞってYouTube上での活動に注力し始めていることもあり競争が激化し、ここ数年は以前より稼げなくなりつつあるといわれている。

「YouTubeで稼ぐことが難しい状況になっていることは間違いない。3~4年くらい前には広告収入は『1再生あたり0.1円』が目安といわれていたが、今ではその数分の1まで落ちている。さらに、新規参入者が激増したことで競争が激しくなり、一動画当たりの再生数が減っていることも重なっている」(デジタルマーケティング会社プロデューサー/23年2月28日付当サイト記事より)

 YouTuberをはじめYouTubeをメインの活動場とするクリエイターたちの収益源となっているのが、動画再生中に自動で流れる広告動画だ。スマートフォンやPCにインストールしたYouTubeアプリ、またはウェブブラウザでYouTube動画を再生すると一定の間隔で広告動画が入り込むが、月額1280円(個人)の「YouTube Premium」に登録すると広告が表示されなくなるのに加え、音楽配信ストリーミングサービス「YouTube Music Premium」や、ダウンロード動画のオフライン再生、YouTubeアプリを画面に表示させないバックグラウンド再生などの機能も使えるようになる。

 ちなみに広告ブロック用アプリなどを使用して一時的に広告を非表示にすることは可能だが、YouTubeの利用規約違反となるため、動画の再生がブロックされることがある。

「よく分からない」というのが実情

 そのYouTubeの一部ユーザーにおいて、YouTube Premiumに登録していないにもかかわらず、動画再生中に広告が表示されないケースがあるとして一部SNS上で話題となり、X(旧Twitter)上では以下のような声があがっている。

<私もここ最近広告全く出なくなったから、知らない間にプレミアムポチったのかな?と思ってたんだけど、そうじゃないっぽいんだよね>

<年齢にもよるかもですが、対象になる広告が減っている 見ているYouTuberに広告がつかないとかですかね?>

<YouTubeの地域設定が日本以外のどこかになってる?>

<私もずっとこれで優越感感じながら2年くらい過ごしてたら、ある時急に広告出るようになってプレミアム課金しかけた>

<課金もしてないし広告ブロックもしてないしウィルスバスターも入れてないんだけど、私も広告が出てこない>

<これ父親も言ってて、あるとき急に広告出るようになって今まで出なかったからストレスでプレミアム課金してた>

 中堅IT企業役員はいう。

「これについては私も以前から少し興味があり、ネット界隈の人たちに質問したことがあるのですが、結論からいうと『よく分からない』というのが実情。『登録されているアカウントの視聴履歴から未成年だと判断されているのではないか』『投稿者が広告収益を得る設定をしていない動画ばかりみているのではないか』という声も聞くが、子どもが見ていても広告が流れることは普通にあるし、現在では投稿者が収益化していない動画でも広告が流れる。

 可能性として考えられるのは、ユーザが自身で気が付かないうちにブラウザの広告ブロック機能をONにしたり広告ブロック用アプリをインストールしているというケース、本人が無意識のうちにYouTube Premiumに登録していたというケースや、契約した携帯電話のプランにYouTube Premiumが含まれているケース、インストール済の別のアプリが何らかの理由で広告再生を妨げているケースなどが考えられる。もしくは、YouTube運営元が広告効果測定などなんらかの理由で、比較調査のために一部ユーザの広告表示を一時的に停止したり、視聴する端末が特定の環境になると広告が表示されない仕組みになっているという可能性も考えられるが、運営元から公式に発表されている情報はなく、外部の人間は知るすべがない」

 EC関連会社エンジニアはいう。

「以前、アカウントを登録していないブラウザで見たり、YouTubeアプリを使い始めたばかりの時期は広告表示が抑えられているのではないかという声もちらほら聞こえたが、どれも確証がなく、現在ではこうした場合でも広告は流れるので、少なくとも今はそういう仕様にはなっていない模様。意図的に広告が流れない期間を一定程度もうけて、その後に広告が流れるようにしてユーザにストレスを感じさせてYouTube Premiumへの登録を誘っているのではないかという都市伝説的な見方もあったが、噂の域に過ぎず、今の時代、世界的にメジャーなサイトがそんな露骨な手段を取るとは考えにくい」

 ちなみに動画の投稿者が広告とYouTube Premiumからの収益の分配を受けるには、「YouTubeパートナープログラム」に登録し、チャンネル登録者数が1000人以上で直近12カ月間の有効な公開動画の総再生時間が4000時間以上であるか、またはチャンネル登録者数が1000人以上で直近90日間の有効な公開ショート動画の視聴回数が1000万回以上であるという条件を満たす必要がある。

(文=Business Journal編集部)

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