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艦これカフェ訪問レポート、なぜ大盛況?ガチャに依存しない、ゲームの新しい収益モデル

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 ある日、ツイッターでこんなことがつぶやかれた。

「アメリカ人から『日本の軍艦画像を検索しているんだが、なんで美少女ばかり出てくるんだ!?』と追求されている」

 このツイートは2ちゃんねるなどでも話題となったので、ご存じの方もいらっしゃるだろう。実際、筆者もいくつかの軍艦の名前を検索してみると、美少女ばかりではないが、軍艦の画像に混じって確かに少女のイラストが表示された。

●100万人に達するユーザー登録

 これは軍艦を擬人化したゲーム『艦隊これくしょん』(以下『艦これ』)のキャラクターだという。角川ゲームスとDMM.comが提供しているブラウザゲームで、航空母艦、戦艦、巡洋艦、駆逐艦などの軍艦を萌えキャラにしたカード「艦娘(かんむす)」を集め、勝利を目指すというもの。美少女とミリタリーという、秋葉原系には非常に人気の高い要素を盛り込んだこのゲームは、2013年4月にサービスを開始して以来、人気沸騰。運営サイドはサービス開始当初、最終的なユーザー数を10万人程度と予想していたが、ツィッター等のSNSの口コミによりユーザー数が急増。今年の夏には、サーバーの容量をオーバーしてしまい、新規登録不可能となる事態も起きている。8月30日付の週刊アスキーPLUSの記事によると、ユーザー数は60万人、「週刊ファミ通 Vol.1296」(エンターブレイン/10月17日号)によると90万人を突破。この記事が掲載される頃には100万人を突破していると予想される。

 ある種のムーブメントを起こすだけの人気を集めた『艦これ』だが、ソーシャルゲームの定番であるゲーム内課金は抑えめだという印象を受ける。ゲームを「有利」に進めるには課金が必要だが、他のゲームと比べ、課金しなければ楽しめない、というものではない。

 その分、マルチメディア展開は活発で、出版やグッズ販売のほか、ソニーのPlayStation Vitaでコンシューマー版の開発が発表されるなど、他のソーシャルゲームとは違ったアプローチで収益モデルを確立していこうという動きが見られる。

●期間限定のテーマカフェがオープン

 そんなマルチメディア展開の一環として、10月17日秋葉原にオープンしたのが『艦これ』をテーマとしたカフェ「甘味処 間宮」(以下、「艦これカフェ」)だ。

 「艦これカフェ」は、フィギュアや玩具の企画・製造をしている会社であるグッドスマイルカンパニーと、カラオケの鉄人などを運営する鉄人化計画のコラボレーションカフェである「グッドスマイル&カラオケの鉄人カフェ」において、12月15日までの期間限定でオープンしている。同所では、秋葉原の街にあったテーマカフェを次々に開催しており、今回は『艦これ』とコラボしたというわけだ。

 そこで、台風27号が本州に接近しつつある10月26日、さっそく取材に向かった。降りしきる雨の中、12時少し前に「艦これカフェ」の入っているビルに着いた。「艦これカフェ」があるのは、近年の秋葉原を体現したようなビルで、アニメやコミックの充実した書店や、各種趣味に振り切ったテナントが同居するビル。エスカレーターで上っていくうちに「さすが秋葉原」という気持ちになってくる。

 ただこの時点では、ちょっと空振りのような予感があった。ネットなどでは人気とあったので、正直数時間は並ぶことを覚悟して来たのだが、それらしい人影は見えない。「艦これカフェ」の入っているフロアについてみると、正面にはグッズ売り場、右手にいかにもカラオケBOXという感じの受付カウンターがあるだけ。目に入ったお客はグッズ売り場に1名、受付に1名、正直拍子抜けしてしまった。

 しかしそれは間違いだとすぐに気づかされた。

 カウンターで入場したい旨を伝えると、店員の女の子から「今からですと20時の入店になりますが、よろしいですか?」との問い。8時間以上待たなければならない。しかも待っている間、食事はできず、飲み物しか注文できないというのだ。

 日々の混雑状況について店員に聞いてみたところ、

「今日は平日ですし、さらに台風が近づいているから、お客さんは少ないほうです。連日150組程度のお客さんが来店され、どんなにすいている日でも、14時以前に行かなければ入場は難しいです。さらに土日になると、開店前に並んでいる人だけで、その日のキャパシティをオーバーしてしまいます」

という。

 ちょっと中を覗かせてもらったが、店内はスペースを広めに取っているためだろうか、混雑しているという印象はない。しかし壁面に並べられたグッズを見るために、席を立っている客も多いのだという。客層はざっと見た限りだが、いかにも「オタク」風な人は半分程度、ほかには普通にそのへんを歩いていそうなサラリーマン(実際に、スーツを着た人もいた)や女性の姿もちらほら。

 また、食事や飲み物を注文したときに付いてくるランチョンマットやコースター、マグネットなどのオリジナルグッズ(100種類以上)を集めるために、一人当たりの注文数も多いようで、テーブルにはいくつもの空になったグラスや皿が並んでいるテーブルも目に入った。店の外で、出てきたお客に話を聞こうと30分ほど待ったが、一向に出てくる人はいない。グッズを集めるために、長居して注文をし続けている人も多いのかもしれない。さすがにここで時間を潰すわけにもいかず、この日の入店はあきらめ帰宅した。

●『艦これ』のコンテンツビジネスとしての成功に期待する角川グループ

 ソーシャルゲームは、その課金の仕方から批判も多かった。子供がゲーム内アイテムを集めるためにガチャにのめり込み、中には数十万円も請求されたというケースも発生、射幸心を煽る課金の仕方は社会問題にもなった。しかし『艦これ』のように求心力の高いコンテンツを開発できれば、ゲーム内課金などに頼らずに済むのだろう。

BusinessJournal編集部

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