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知られざるカレンダーの秘密 1年前になぜ完成?多彩な新商品続々、意外なヒット商品とは?

文=尾藤克之/経営コンサルタント
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知られざるカレンダーの秘密 1年前になぜ完成?多彩な新商品続々、意外なヒット商品とは?の画像1トーダン HP」より
 いまやカレンダーは、私たちの生活に深く浸透しています。経済におけるあらゆる商取引はカレンダーに則って行われています。各国のカレンダーには、その国の歴史・文化が凝縮されているといっても過言ではありません。しかし、カレンダーにも電子化の波が押し寄せており、業界全体が大きな岐路に立たされています。

 今回は、創業111年の老舗カレンダー製作会社トーダンの販売部門マネジャー、高橋ダニエル充氏に昨今のカレンダー事情について話を聞きました。

–まず、カレンダーという言葉はいつ生まれたのですか?

高橋ダニエル充氏(以下、高橋) 古代ローマでは、夕方、月が現れると「月が見えたぞ」と叫んで、人々に知らせる習慣があったそうです。「呼ぶ」をギリシャ語では「カロ」と言い、そこから月初めを意味する「カレンヅ」などの言葉が派生し、カレンダーの語源となったと考えられています。その後、暦がヨーロッパ各地に広まるとともに、カレンダーという名称も伝わっていったといわれています。

 また、「暦(こよみ)」は二日(ふつか)、三日(みっか)などと、日を「か」と読んだところから、「日(か)読み」が転じて「こよみ」となったといわれています。ちなみに、「聖」という字は「ひじり」と読みますが、これは「日知り」が語源といわれ、暦の編纂は聖なるものとして為政者のみに許された国家的事業だったことがうかがえます。

–今までにヒットしたカレンダーには、どのようなものがありますか?

高橋 1983年から販売している「開運カレンダー」は、日本で最もポピュラーな運勢占いの高島暦とカレンダーを一体化させたもので、今でも根強い人気があります。六曜や二十四節気のほか、生年月日から導き出される九星や、十二直、二十八宿なども記載しております。近年は、この「開運カレンダー」の日めくりタイプやノートなど、バリエーションを増やした商品展開をしています。

–単なる暦ではなく、付加価値が求められているのでしょうか?

高橋 そうですね。「開運カレンダー」発売以前は、占いの本を見ながら、カレンダーにその日の運勢などを書き込むということがよく行われていたようです。そこで高島暦で最も由緒のある東京神榮館監修のもと、カレンダーに日単位での運気や吉方(方位)などのアドバイスを記載したところ、好評を得ました。日本人は昔から、「お日柄」を大切にしてきました。大安に結婚式を挙げたり、葬儀は友引を避けるなど、今でも生活に密着しています。また、メモを書けるスペースが充実しているタイプなど、付加価値のあるカレンダーが好まれています。

–祝日が再来年から増えますが、カレンダー業界にはどのような影響がありますか?

高橋 新たな国民の祝日が制定されるときは大変です。今年5月、2016年から8月11日を「山の日」とすると定められました。多くのカレンダーは発売の1年以上前には完成しているものなのです。デザインやライティングをはじめ、カメラマンや作家などの著作権が絡む場合もあり、これらをクリアするには長い時には2年くらいかかります。

–新祝日が施行されるまでの期間としては、2年はぎりぎりの期間なのですね。

高橋 国民の祝日は、制定議員連盟が立ち上がり、議論を経て、国会での採択によって決定されます。今回は、業界として猶予期間を設けてもらうように国会へ陳情を行ってきたので、2年後の施行となり安堵しています。日本人が古くから芸術・信仰の対象として親しんできた山に感謝をし、「山の日」の周知・啓蒙活動に力を入れていきたいと思っています。

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