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新規上場急増で市場ギャンブル化、異常な株価や暴落

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東京証券取引所(「Wikipedia」より/Chris 73)
 今月12月に新規上場(IPO)する企業は昨年同月比6割増の27社に上り、12月としては2006年以来の高水準となった。ビーロットやU-NEXTのように急騰した銘柄もあるが、IPOラッシュの影の部分も目立っている。

 12月18日に東証1部に上場したスマートフォン(スマホ)向けゲーム会社gumiは、コロプラなどに続くスマホゲームの「勝ち組」といわれているが、公開価格の想定が不透明だった。1株3300円に決まったが、9月に無料通話アプリLINEがgumiの33億円の第三者割当増資を引き受けた際の1株当たりの発行価格は1362円。わずか3カ月で株価が3倍に大化けした計算だ。「LINEと提携したことで企業価値が上がった」という説明では説得力に欠ける。主幹事証券会社は野村證券で、引き受けシェアは97.5%。ほぼ1社がgumiを支える格好であり、かなり異常なかたちだ。

 gumiは開発要員の採用や海外進出などで先行投資がかさみ、2014年4月期まで連結最終損益は2期連続の赤字だったが、将来性を買われて東証1部に上場を果たした。gumiの従業員数は840人で、ミクシィ(360人)やコロプラ(450人)に比べても多い。

 18日上場時の株価は公開価格と同値でスタートしたが、3070円まで下げ、上場初日は3165円で終わり、公開価格を下回った。2日目の19日は3120円(45円安)の安値引け。「相場欄の位置が大王製紙の次というのも験が悪い」(中堅証券会社)といった怨嗟の声まで聞かれる。予想PER(株価収益率)は100倍を超え、明らかに割高な株価水準になっていた。ガンホーやコロプラの売上高営業利益率が40%を超えている一方、gumiは15年4月期になってようやく8億円の黒字に転換する。

 12月17日にIPOしたアマゾンのフルーツを輸入販売するフルッタフルッタは、公開価格(4290円)比51%高の6500円で初値を形成した。高値は6720円までつけたが、その後ストップ安となり、初値比較1000円安の5500円で終わった。19日には3825円まで下げ、終値は4080円と株価は崩れた。

●乱降下する株価


 12月にIPOした軽量案件で公開価格を50%以上上回った銘柄は、初値形成後にストップ安に沈むパターンが目立つ。IPOラッシュで、短期資金は瞬時に銘柄を乗り換えることが要因だ。さらに、既存株主が市場で売ることが解禁される価格、いわゆるロックアップ価格が「公開価格の50%以上値上がりした場合」に条件設定されているという事情も関係している。この条件が設定されていると、既存株主の売り圧力が強まる可能性が高く、上値は限られる。