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カルビー、「松本の魔法」で高収益企業へ 「儲ける気のない」社内に衝撃的改革

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カルビー公式サイト」より
かっぱえびせん」でおなじみのスナック菓子大手カルビーは、東日本大震災が発生した2011年3月11日に東証1部に新規上場した。初値は売り出し価格と同じ2100円だったが、震災の影響で株式市場は混乱し、週明けの15日には2000円にまで下げた。その後、13年9月には1万1780円を記録。同年10月に1株を4株に分割しているので株価は下がったように見えるが、ずっと堅調を続けている。今年1月5日大発会の高値は4165円。1月30日に4740円と昨年末高値(これまでは昨年12月4日の4355円)を更新した。

 15年3月期連結決算の売上高は2130億円、営業利益は225億円の見込みだが、純利益は10%増の133億円の見込みだが、営業利益は上振れしそうだ。株式公開した11年3月期はそれぞれ1555億円と107億円。売上高は37%増、営業利益は2.1倍。営業利益は過去最高益を連続して更新中だ。

 2月2日に発表した14年4~12月期の連結純利益は117億円と前年同期比14%増となり、4~12月期として過去最高を更新した。国内では主力のポテトチップが自社製品、プライベートブランド(PB)とも伸びた。北米市場をはじめとする海外事業の拡大が増益に貢献した。売上高は同11%増の1646億円だった。ポテト系スナック「じゃがりこ」やポップコーンなども好調で国内売上高は1487億円と8%増え、海外売上高は158億円と37%増加した(億円以下の端数があるので総売上高は1646億円になる)。北米事業の収入が2倍強になったのが寄与した。海外売上高比率は9.7%(前年同期7.8%)に高まった。

 09年6月、会長兼CEO(最高経営責任者)にジョンソン・エンド・ジョンソンから転じた松本晃氏が就任して以来、カルビーは大きく変わった。利益率が大幅に改善し、儲かる会社になった。かつて1%台だった営業利益率は、15年3月期に10.5%となる見込み。中期的には15%を目指しており、「松本の魔法」と評せられている。

 なぜカルビーは儲かる会社に変わることができたのか。14年5月21日配信「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」記事のインタビューで、松本氏は次のように答えている。

「単に儲け方が下手だっただけです。会社が儲かるには、基本的には3つの要素があります。『商品の品質』『コストの安さ』『供給体制』です。カルビーは1番目と3番目はよくできていた。ところが、2番目のコスト意識がまったくなかった。儲ける気がないんじゃないか、と思えたくらいです」

 カルビーは品質にこだわるあまり、コストには無頓着だった。松本氏は、コスト管理をしっかりやれば、もともと持っている力を発揮できると考えた。組織を簡略化して変動費を下げた。高コストの温床になっていた低い工場稼働率を一気に高め、固定費を下げた。これで売上高営業利益率が大幅に改善したのである。

●衝撃的な組織改革


 仕事の仕方が変わったことが、カルビーの社員には衝撃的だった。人事評価はシンプルに数字で示し、社員は結果を出さなければ夜中まで残業しても評価されない。「コミットメント(C)&アカウンタビリティ(A)」。約束したことに対して結果責任を負う。最初は社内から猛反発があったが、今ではこのC&Aがすっかり社内の共通語になった。同時に階層を減らし、部長補佐や部長代行などの中2階ポストを廃止した。

「日本の会社には、わけのわからない階層が多すぎる。課長でもないのに課長役とか、部長補佐とか部長代行とか、すぐに中2階をつくりたがるんですね。そうすることで、上がれない人もちょっと上げて満足させる。身分と責任を混ぜこぜにして、併存させてしまうわけです。でも、こんなことをやっていたら、会社はもちません。生き残ろう、成長しようと思ったら、変えるしかないんです」(松本氏/同記事より)