そんなに食べていないのに太る。1日の栄養所要量を守っているのに太る。なぜなのか。
それは、食べる量ではなくて、食べる時間や速度、順序にも問題があるのかもしれない。
『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』(香川靖雄/著、幻冬舎/刊)は、82歳で病気知らず、いまも現役で学生を指導する女子栄養大学の副学長が、時間を活かした画期的なダイエット法を伝授。1日のうちでどのような時刻に、どのような量比、速度、順序で食べるのが痩せるうえで効果的かを、時計遺伝子をもとにした「時間栄養学」の立場から紹介する。
例えば、毎日ちゃんと朝食を食べているだろうか? 朝は忙しいから…と抜いてしまう人も多いことだろう。
しかし、「朝食を抜くと太る」という話はよく聞く話。本書でも、ダイエットにおいて朝食は大事だと指摘する。ダイエットのつもりで朝食を抜いても、体重は減るどころか増えてしまう。朝食を食べなければ、脳は起きていても身体は目覚めることができず、細胞が活発に働かない。すると、体内の代謝が悪くなり、エネルギーが消費されないという。
体調も悪く、とくに午前中は頭が働かなくなる。また、朝食を抜くと昼食だけでなく、夕食も過食しがちになる。これは身体の防衛反応によるもので、食べ物が入ってこないことを見越して多めに食べるように、脳が指令を出すのだという。
その結果、活動のエネルギーとして消費されない分が脂肪となってしまうのだ。
また、食べる順番も重要。例えば、炭水化物の白いごはんを先に食べてしまうと、急激に血糖値が上がり、インスリンが分泌されて、血糖値が脂肪になりやすいという。それに比べて、サラダなどの野菜から食べると、血糖値の上昇もゆるやかになるそうだ。
また、ごはんから先に食べると、糖質によって脳の空腹を感じる摂食中枢が刺激され、ますます食欲が出てしまう。それに対し、野菜から食べ始めると、食物繊維が水分を吸収して大きくふくらみ、食べすぎを防いでくれるのだ。
ダイエットは、カロリーの摂取量を減らし、運動量を増やすことが重要視されてきたが、それだけではない。ダイエット中なのになかなか痩せない。そんな人は、普段何を食べているのか、朝食は食べているか、どのような順番で食べているか、早食いはしていないか、といったことをチェックして、食事の仕方を改めてみるのもいいかもしれない。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。