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物流崩壊の危機?経済全体に大打撃も 深刻なドライバー不足、救世主に浮上の貨物列車

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「全日本トラック協会 HP」より
 インターネット通信販売がすっかり定着した昨今、物流業者の重要性は高まっているが、その一方で、物流の現場ではトラックドライバー不足が深刻化している。全日本トラック協会が公表しているデータによると、トラックドライバーの平均年齢は43.1歳、勤続年数は12年。年齢の割に経験年数は短い。

「これまで、トラックドライバーの労働環境は、お世辞にもいいとはいえませんでした。長時間労働は当たり前、それでいて給料は少なく、特に長距離トラックの運転手は家を留守にしがちなので、休日に家族と過ごす時間が取りにくいなど敬遠される要素が多いのです。そうした理由から、ドライバーを辞めてしまう人も少なくありません。さらにドライバーになる若者も少ないので、かなり苦しい状況です」(トラック業界関係者)

 ヤマト運輸や佐川急便などの大手宅配事業者は、そうした事態を深刻に受け止めており、ドライバー確保に躍起になっている。佐川急便は窮余の策として主婦1万人をパート配達員として採用。パート主婦が自宅付近の配達を担当する。主婦たちは自転車で配達するが、その範囲はトラックに比べれば狭い。それでもトラックドライバーの負担の軽減につながっているという。

●貨物列車への回帰


 そんな中、物流業界の救世主として注目されているのが貨物列車だ。貨物列車は1編成でトラック65台分もの荷物を運ぶことができる。

 高度経済成長期、日本の道路が整備されると、物流は小口輸送が主流となった。トラック輸送のメリットは、玄関から玄関まで運べるなど小回りが利く点にある。トラック輸送が主流になると、鉄道貨物は衰退した。1987年の国鉄分割民営化時には、まだ貨物輸送量は5627万トン、運輸収入は1568億円あったが、その後減少は止まらず、2012年の貨物輸送量は2999万トン、運輸収支は1124億円と、ピーク時に比べて6割にまで落ち込んでいる。

 北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道(JR貨物)から成る JRの線路は日本全国に敷設されているが、JR貨物は旅客列車が走っていない時間帯に運行しなければならない。現在の物流業界は受け取り客が時間を指定できるようになっているため、鉄道貨物は時間通りに集荷し、届けるといったニーズに対応しづらい。そうした時代に合わない点も、鉄道貨物の衰退に拍車をかけた。