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広告、主役交代鮮明に 没落する4マスメディア、ネット急伸で初の1兆円台へ

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ネット広告専業首位サイバーエージェントのHPより
 テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4媒体の広告出稿が頭打ちになる中、インターネット広告市場は拡大が続いている。電通がまとめた「2014年日本の広告費」(推計)によるとインターネットの広告費は、スマートフォン(スマホ)の普及で初めて1兆円の大台を超えた。

 14年の総広告費は前年比2.9%増の6兆1522億円となり、3年連続で増えた。総広告費が6兆円超えとなったのは、リーマン・ショックが発生した08年以来6年ぶりのことだ。昨年4月の消費税増税前に駆け込み需要を狙った広告が多かったほか、年間を通じてゲームなどのスマホ向け広告が好調だった。ネット広告費は12.1%増の1兆519億円と2ケタの伸びで、初の1兆円超えとなった。

 4媒体の広告費の合計は1.6%増の2兆9393億円。内訳はテレビが2.8%増の1兆9564億円、新聞は1.8%減の6057億円、雑誌が横ばいの2500億円、ラジオは2.3%増の1272億円だった。広告の主流は、マスメディアの4媒体からネット広告に代わった。

 05年の広告費と比較すると、主役交代が鮮明になる。05年のネット広告費は3777億円。14年には2.8倍に拡大した。対して、マスメディア4媒体は軒並み縮小した。テレビは2兆411億円から4%減、新聞は1兆377億円から実に42%減、雑誌は4842億円から48%減、ラジオは1778億円から28%減だ。新聞、雑誌の紙媒体の落ち込みが激しい。企業の広告出稿が紙媒体からネットにシフトし、ネットが広告をリードするようになったのである。

●潜在的顧客を狙い撃ち


 ネット広告費の内訳は広告媒体費が14.5%増の8245億円、広告制作費が4.4%増の2274億円。広告制作費は大型キャンペーンの減少や制作単価の下落から成長率は鈍化したが、広告媒体費はスマホ向け広告や動画広告などが好調で大きく伸びた。ネット広告は従来、表示媒体や場所を事前に決めておく「枠売り」が一般的だった。しかし、スマホやタブレット端末の普及や広告関連技術の高度化が進み、新手法が次々と生み出された。

 ネット広告は表示・クリック回数に加えて、表示後の閲覧者の行動もわかる場合が多い。それを活用して人気を博しているのがアフィリエイト(成果報酬型)広告である。クリックから資料請求を経て、物品が購入されて初めて広告費用が発生するため、効率的でネット通販や保険業界向きの広告として好評だ。

 ネット広告費の中で目立つのが運用型広告だ。運用型広告費は23.9%増の5106億円と、大きく伸長した。ネット広告費の半分弱を占める。

 ネットの技術革新が進むのに呼応して、閲覧者の興味、関心に合わせた広告配信が本格化してきた。今後は閲覧履歴に基づいて潜在的顧客を狙い撃ちする運用型広告が、ネット広告の主流になっていくとみられる。