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それは、コンテナの存在を知った人々からの提案がきっかけだった。ヘアサロンという概念を超えたデザイン性の高い移動式スペース。これを活用したいと考える人から、さまざまなオファーが来ているのだ。
現在、コンテナヘアサロンは地方出身のスタッフ2名とともに、晴海埠頭から茨城県水戸市の千波湖に運ばれ、営業している。近隣住民や水戸市民、観光客が楽しめる場所として、水戸を地方創生ロールモデルにしようと奮闘している堀義人座長が率いる「水戸ど真ん中再生プロジェクト」に参画中だ。
また、価値ある空間にこだわった内装が「日本空間デザイン賞 サービス・ホスピタリティー空間部門」で数多く候補の中から金賞を受賞した。空間デザインの新しい価値から創造的な社会を構築していくことで、人々の生活や社会の豊かさにつなげていくことがコンテストの目的だという。
「地域社会の発展と感動経験を提供し、人々の日常に潤いを与える」という経営理念で始めた店舗型ヘアサロンは、サービスの枠から社会へ視点を広げることで、利用者への価値提供を超えて業界の活性化につなげ、日本の課題に取り組むという新しい価値を創出したのではないだろうか。
自社製品やサービスの創造と並行して、新たな役割=社会的責任が必要とされている。時代が変化している今、CSR(企業の社会的責任)の創出方法にヒントを与えてくれるストーリーだ。
(文=丸田一代/ライター)
●「abie hair」
●取材協力/株式会社カプラス
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