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●日本IBMの人員削減システムを導入
一連のリコーの人員削減策は日本IBMの人事マニュアルを取り入れたものだ。日本IBMではPIP(業績改善計画)という手法で、人事評価の下位15%を強制的に退職させて組織の“新陳代謝”を図るシステムが導入されている。PIP導入時の社長だった大歳卓麻氏は、この人事制度について「我々が毒見してみて、大丈夫そうだとなれば、日本の会社の皆さんもやりやすい」と語っていた。リコーはこの日本IBMの手法を導入するため、同社から専門家をスカウトしていた。
PIPを実施した日本IBMでは自殺者が出た。「社員を使い捨てにする」という情報が広がり、技術系の学生が日本IBMを敬遠する副作用が生じた。リコーにも「目先の財務内容を取り繕うために、将来の利益を生み出す担い手となる技術者たちを切り捨てた」との非難が上がった。
リコー創業者の市村清氏が掲げた「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の三愛主義は、もはや同社にとっては過去の遺物になってしまった感がぬぐえない。
(文=編集部)
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