IVS2025、ネットワーキングが大幅にパワーアップ…展示会形式のエリアを初設置

2007年から開催されている日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS(Infinity Ventures Summit)」は、国内外の経営者や投資家、起業家が集まり、業界のトレンドや最新技術について議論を交わす。
IVSの特徴は、単なる情報交換の場にとどまらず、参加者同士のネットワーキングを重視している点にある。カンファレンスでは、参加者同士が交流を深め、新たなビジネスチャンスを生み出すための様々な企画が用意されている。
IVS2025の主なコンテンツ
今年開催されるIVS2025では、以下のような多彩なコンテンツが提供される予定だ。
セッション: 各分野のトップランナーによる講演やパネルディスカッションを通じて、業界の最新動向や未来展望について議論する。
ピッチ: スタートアップ企業が自社の製品やサービスを投資家や参加者にアピールする機会です。「IVS LAUNCHPAD」は、特に注目度の高いピッチイベントとして知られている。
ネットワーキング: 参加者同士が交流を深めるための様々な企画が用意されている。交流ラウンジやミーティングエリアなどが設置され、参加者同士のビジネスマッチングを促進する。
スタートアップマーケット: スタートアップ企業がブースを出展し、自社の製品やサービスをPRする展示会形式のエリア。投資家や事業会社との連携を深められる。
IVS LAUNCHPAD とは
IVSの名物企画として知られる「IVS LAUNCHPAD」は、スタートアップ企業によるピッチイベント。選考を通過したスタートアップ企業が、自社の製品やサービスをプレゼンテーション形式で発表し、その革新性や将来性を競う。
過去のIVS LAUNCHPAD登壇企業からは、数多くのEXIT(IPOやM&A)を実現している企業も生まれており、幅広い業界から注目を集めている。
IVSがスタートアップ業界に与える影響
IVSはスタートアップ企業にとって、資金調達やビジネスマッチング、PRなど、様々な面で大きな影響を与えるイベントとなっている。特に、IVS LAUNCHPAD での優勝は、スタートアップ企業の信頼性を高め、その後の成長を大きく加速させる要因となる。
またIVSは、日本のスタートアップエコシステム全体の発展にも貢献している。カンファレンスを通じて、新たな技術やビジネスモデルが生まれ、それが社会全体のイノベーションを促進する原動力となっている。
IVSの今後の展望
IVSは、今後も日本のスタートアップ業界を牽引する重要なイベントとして、さらなる発展が期待されている。主催者であるIVS代表の島川敏明氏は、「日本のスタートアップエコシステムが大きく変わる激動の時代」を迎えていると認識しており、IVSを通じて「日本の経済、中長期、危険ですので、必要なことは仕込んでいこうかなとは思っている」と述べる。UNICORN JOURNALは島川氏にインタビューを行った。

IVS代表 島川敏明氏インタビュー
――まず、今回のIVSで最も注力している点についてお聞かせください。
島川氏:今回のIVSでは、ネットワーキングに特に力を入れています。これまでのIVSでも、セッションやピッチなどのコンテンツはもちろん充実させてきましたが、今回は参加者同士の交流をさらに促進するための様々な企画を用意しました。
――具体的には、どのような企画があるのでしょうか?
島川氏:例えば、事前に予約した相手と1対1でミーティングができるエリアや、資金調達に特化した交流ラウンジなどを設置しています 。また、参加者が特定のテーマについて語り合うための「IVS AMA(Ask Me Anything)」という企画も実施します。
――今回、IVSとして初めて「スタートアップマーケット」という展示会形式のエリアを設けるそうですね。これには、どのような狙いがあるのでしょうか?
島川氏:「スタートアップマーケット」は、スタートアップ企業がブースを出展し、自社の製品やサービスをPRするエリアです 。一般的な展示会とは異なり、投資家が推薦する質の高いスタートアップ企業のみが出展できる点が特徴です。
また、参加者向けの企画として、「スタートアップツアー」というものも実施します。これは、VCなどの投資家が、参加者に対してAIなどの特定のテーマに関するスタートアップ企業のブースを案内するというものです。これにより、参加者は効率的に情報収集やビジネスマッチングを行うことができます。
――IVS LAUNCHPADは、EXIT率も高く、スタートアップ業界で非常に注目されています。IVS LAUNCHPADの強みはどこにあるとお考えですか?
島川氏:IVS LAUNCHPADの強みは、まず、応募者の母数が多いこと 。IVSは2007年から開催されている国内で最も歴史のあるスタートアップ向けカンファレンスであり、IVS LAUNCHPADもスタートアップにとって非常に重要なピッチイベントとして認知されています。
また、事前の審査やメンタリングにも力を入れています 。VCであるヘッドラインの投資メンバーが、応募企業に対して一社一社面談を行い、事業内容だけでなく、経営者の資質なども見極めます。
さらに、選考を通過した企業に対しては、プレゼンテーションの内容や構成に関するメンタリングも行っています。これにより、スタートアップは投資家や聴衆に対して、自社の魅力を最大限に伝えることができるのです。
――IVSは、京都府や京都市と深く連携して開催されています。自治体との連携において、京都の強みはどのような点にあるのでしょうか?
島川氏:京都府・京都市は、IVSの開催に対して非常に積極的であり、担当者レベルで熱意を持って協力してくれます 。他の自治体では、「わからないことはIVSさんでやってください」というスタンスのところが多いのですが、京都府・京都市は、IVSを「同じ船に乗った仲間」として捉え、共にスタートアップ業界を盛り上げようとしてくれます。
――最後に、今後のIVSに期待することをお聞かせください。
島川氏:IVSが、参加者一人ひとりのビジネスを大きく成長させるきっかけとなる場であり続けること。そして、スタートアップ業界だけでなく、日本全体の経済成長に貢献できるようなカンファレンスにしていきたいと考えています。
今年のIVSから、未来のユニコーン企業が生まれるのか、注目したい。
(構成=UNICORN JOURNAL編集部)
正式名称:IVS2025
日程
メインイベント:2025年7月2日(水)〜4日(金)
IVS Youth:2025年7月5日(土)
場所:京都市勧業館「みやこめっせ」、ロームシアター京都 他
主催:IVS KYOTO実行委員会 (Headline Japan / 京都府 / 京都市)
公式サイト:https://www.ivs.events/
公式SNS:https://x.com/IVS_Official