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売上高構成比わずか5%の“お荷物”事業

大正、三共etc.大衆薬市場低迷で業界再編進行中!?

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多額の広告料が、製薬会社の経営に重く
のしかかる。(「大正製薬HP」より)
 医師から処方箋を出してもらって、保険薬局で買う薬(医療用医薬品)とは異なり、ちょっと風邪をひいたときなどにドラッグストアで購入するような薬は、大衆薬や一般薬、もしくはOTC医薬品と呼ばれる。医療用医薬品は規制で広告を打てないので、テレビコマーシャルなどでよく名前が知られる製品は、ほぼこの大衆薬だ。


 だが、知名度に反して市場規模は低迷し、調査会社のデータではピーク時の2002年(6860億円)から、11年は700億円ほど減少(6180億円)している。このため、大正製薬など大衆薬メーカー各社は、合従連衡や成長するアジア市場への進出を始めた。中小規模のメーカーがひしめく大衆薬業界に、一段と高い淘汰の波が押し寄せようとしているのだ。


大衆薬はマイナー市場


 かぜ薬(総合感冒薬)といえば「パブロン」(大正製薬)や「ルル」(第一三共ヘルスケア)、頭痛薬なら「セデス」(塩野義製薬)、「イブ」(エスエス製薬)など、製品名がぱっと頭に浮かぶのは大衆薬だ。医療用医薬品は、医師にかからないと服用できない。副作用などの危険も強いことが多く、広告宣伝も規制されていて一般生活者が手にする機会が少ないためでもある。


 だが、医薬品の市場規模で見ると、そのほとんどは医療用医薬品だ。メーカー売上高で見た国内医薬品の市場は、約9兆5000億円に上る。そのうち医療用医薬品が85%で、大衆薬は7%程度でしかない。


 大手医薬品メーカーの売上高構成比を見ても、同様の傾向だ。武田薬品工業、第一三共、塩野義製薬などの大衆薬事業は軒並み5%を下回るほどで、医療用医薬品が収益のほとんどを担う。大衆薬は知名度向上のため膨大な広告宣伝費が必要で、ドラッグストアの棚で存在感を出すために新製品を供給し続けないといけない。つまり、販売管理費アップの要因になるのだが、反面、広告宣伝ができるという利点がある。ある大手製薬会社の関係者は「大衆薬は社名の広告担当」と自嘲気味に話す。


 医療用医薬品のメーカーにしてみれば、膨大な研究開発費がかかる新薬開発に力を注ぎたい。だが、おいそれと大衆薬事業をやめることもできない。自社の広告にもなるし、とりあえず続けているというのが現状のようだ。ちなみに、アステラス製薬は第一三共に、中外製薬はライオンに大衆薬事業を譲渡している。


 こうした大衆薬市場浮上の兆しは見えない。同市場に関するデータは多いが、総じていえるのは、市場規模は低迷しているということ。


 09年、薬剤師なしで購入できる大衆薬の数が増えるなどの規制緩和があったが、市場の拡大要因にはならなかった。医療用医薬品で長く使われた成分を大衆薬に移行する「スイッチOTC」も、医師会などの反発があり、製薬会社の思惑より進んでいないのが実情のようだ。「医師から見れば、診療に来る患者が減ることは避けたい。大衆薬は商売敵」(業界関係者)という背景がある。しかも、同じ医薬品でも医師の処方があったほうが、大衆薬より安いという現実がある。患者は医療費の3割しか負担しないでよい、という保険制度のためだ。例えば、エスエス製薬の花粉症などのアレルギー性鼻炎薬「アレジオン」は、同じ効用を持つ医療用医薬品の約3倍の価格。こうした制度上の問題も、大衆薬市場への向かい風となっている。

『引き寄せの法則』


これで消費者を引き寄せろ〜

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