オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」
悪くない。(「同社HP」より)
そんなオリンパスの現役社員・A氏に、驚くべき同社の実態を聞いた。
――まず、粉飾決算発覚前から、同社の現役社員である濱田正晴氏が、上司の不正行為を同社内の通報窓口に通報したことで、不当な配置転換を強要され、濱田氏が同社の不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」というものがありますね。
A氏 はい。昨年8月に出された控訴審判決では濱田氏が全面勝訴したものの、すぐに会社は最高裁へ上告し、現在も争っている模様です。会社が実施する「濱田君教育計画」という”教育プログラム”に基づき、新入社員が受けるレベルの技術系テストや無意味な資料整理をさせられていたといいます。
――現在も濱田さんは、同じ境遇なのでしょうか?
A氏 聞いた話だと、ほったらかしにされているようですね。形だけの部署で、濱田さんのほかに教育係、監視係がいるみたいです。濱田さんの仕事は、単純なエクセル入力などの作業くらいで、飼い殺し状態みたいです。席は、あくせく働く300人くらいの社員に囲まれていて、無人島にいるみたいに孤立している感じですね。
――濱田さんに声をかけたりする人はいるんですか?
A氏 いないみたいですね。話しかけると、会社から目をつけられて怖いということもあるんじゃないですかね。
――昨年から、粉飾決算など一連の問題が起きたときに、社内的にはどんな感じでしたか?
A氏 何も変わらなかったし、今も一切、変わっていないですね。もともと陰湿な雰囲気のある会社ですが、社員はそういう話にはまったく触れずに、部長連中はなぜかニヤニヤ笑いながら働いていますね。
――粉飾決算が発覚したことにいて、会社側から何か説明はありましたか?
A氏 一応、社長のメッセージとかはありましたけど、「本当に大変な事態である」とか、そういった感じではなかったですね。「お客様は『がんばれ』、と言ってくれている」とか、洗脳に近い話ですね。やはり、オリンパスは世界のシェア7割を占めている内視鏡がまだあるので、能天気なのではないでしょうか。
――5月30日、オリンパスが100億円の出資を受ける資本提携を目指し、ソニーとパナソニックに絞って交渉を進めていると、朝日新聞が報じました。そしてこの報道では、同社が社員を2500人削減する計画があることにも触れていますが、社内では事前に何か説明はあったのでしょうか?
A氏 事前にはありませんでした。同日に、新社長の笹宏行と、新会長の木本泰行による訓示があったのですが、その冒頭で笹社長は「朝日新聞でリストラとか提携の件が載ったので、それについて触れなければいけないですね」と言ったのですが、結局最後まで一切触れませんでしたね。濱田さんの件も、会社は裁判で敗訴して、それを上告までしたという事実があるのに、それについてもまったく触れない。「会社として、コンプライアンスをしっかりやっていかなければいけない」とか言ってましたけど、ふざけた話だなと(笑)。社会的にも大きな話題になっているのに、社内的に黙って通せるものではないと思いますが、見事に黙っていますね。木本会長は、粉飾決算についても、「大したことじゃない」と言ってましたね。また、聞いた話ですけど、木本会長は今もって会食ざんまい、温泉ざんまいらしいです。お金がないというのに。「なんでコイツのために、高い温泉の予約を取らなくてはいけないのか」と、腹を立てている社員もいるでしょうね。