ユーロ圏解体は不可避=政治同盟欠如が致命的 – 時事通信(5月23日)
ユーロ問題の根底には、ある種の夢というか、非現実的な理想があると思います。それは、単一通貨が導入されているのに、財政は各国で独立しているということです。財政、すなわち国のお金の配分は、政治そのものです。まさに政治同盟の欠如が、その根幹にあります。本来は経済的に弱い国の通貨は切り下がり、為替レートによって調整されていくわけです。だから、政治=財政が独立しているならば、通貨もバラバラにしなくてはいけない。
ユーロのコンセプトである「ゆるやかな経済と政治的な統合」自体は、ヨーロッパの長い戦争の歴史から「もう戦争したくない」というところより生まれてきています。そのような理想の下にユーロは誕生したのですが、それから20年余りは世界的にも景気が良かった。だから、大きな問題も露見しなかったのです。それがアメリカのサブプライム問題を契機に、一気に顕在化してしまった。見たくない現実を目の当たりにしてしまったのですね。
つい先日、ドイツとスペインを訪問したのですが、ユーロ圏でありながら、同じ為替レートでいいのかと考えさせられました。ドイツ人はてきぱきとしていて、電車も正確に運行されているのに対し、スペインは、シエスタの習慣もあるからでしょうか、どことなくのんびりしている……。だから勤勉なドイツ人からすると、「なんでギリシアとかスペインの借金を、オレたちが払わなくてはいけないんだ?」と思うのは、至極まっとうな国民感情です。
でも、ユーロ誕生後、世界経済の景気が良かったバブルを、一番享受していたのはドイツです。同じユーロ圏としてドイツとギリシャが同じ賃金で企業経営、モノづくりをしてきたわけですから、ドイツ企業各社は、むちゃくちゃ儲かったわけです。だからドイツがユーロ問題で責任をとるべきだという主張も、このように考えると当たり前のことなのかもしれません。
焦点:フェイスブック、株価失速で今後の高成長求める圧力強まる – ロイター(5月22日)
ライフネット生命も、3月15日に上場した時に初値が公募価格割れだったので、各方面からいろいろといわれましたが、3月26日には1282円になりました。
しかし、その間は、会社の実態・中身は何も変わっていないのです。だから短期の株価のブレはデイトレーダ―以外はまったく気にする必要がないし、意味がないと思っています。フェイスブックにはいろんなポテンシャルがあるというのは、誰もがわかっています。
これから伸びるかどうかのキーとなるのは社員。上場したことで多くの社員がお金を手にして、また次のベンチャーへ移っていく可能性もある。今やグーグルですら大企業化していますから、今後これだけ大きくなってしまったのに、いい意味でベンチャー精神を忘れずに新しいサービスを開発し続けられるか、ということにかかっているのかなと思っています。