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岩瀬大輔(ライフネット生命保険副社長)

フェイスブック上場、訴訟や株価下落より大切なこととは?

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岩瀬大輔氏
 ネット生保トップシェア・ライフネット生命保険の設立メンバーであり、同社副社長を務める岩瀬大輔氏。2006年、戦後初の独立系生保会社となる同社を設立し、今年3月、ついに東証マザーズ上場を果たした岩瀬氏が、ユーロ危機からフェイスブック上場まで、旬のテーマを一歩踏み込んだ視点でひもときます。

ユーロ圏解体は不可避=政治同盟欠如が致命的 - 時事通信(5月23日)

 ユーロ問題の根底には、ある種の夢というか、非現実的な理想があると思います。それは、単一通貨が導入されているのに、財政は各国で独立しているということです。財政、すなわち国のお金の配分は、政治そのものです。まさに政治同盟の欠如が、その根幹にあります。本来は経済的に弱い国の通貨は切り下がり、為替レートによって調整されていくわけです。だから、政治=財政が独立しているならば、通貨もバラバラにしなくてはいけない。

 ユーロのコンセプトである「ゆるやかな経済と政治的な統合」自体は、ヨーロッパの長い戦争の歴史から「もう戦争したくない」というところより生まれてきています。そのような理想の下にユーロは誕生したのですが、それから20年余りは世界的にも景気が良かった。だから、大きな問題も露見しなかったのです。それがアメリカのサブプライム問題を契機に、一気に顕在化してしまった。見たくない現実を目の当たりにしてしまったのですね。

 つい先日、ドイツとスペインを訪問したのですが、ユーロ圏でありながら、同じ為替レートでいいのかと考えさせられました。ドイツ人はてきぱきとしていて、電車も正確に運行されているのに対し、スペインは、シエスタの習慣もあるからでしょうか、どことなくのんびりしている......。だから勤勉なドイツ人からすると、「なんでギリシアとかスペインの借金を、オレたちが払わなくてはいけないんだ?」と思うのは、至極まっとうな国民感情です。

 でも、ユーロ誕生後、世界経済の景気が良かったバブルを、一番享受していたのはドイツです。同じユーロ圏としてドイツとギリシャが同じ賃金で企業経営、モノづくりをしてきたわけですから、ドイツ企業各社は、むちゃくちゃ儲かったわけです。だからドイツがユーロ問題で責任をとるべきだという主張も、このように考えると当たり前のことなのかもしれません。

焦点:フェイスブック、株価失速で今後の高成長求める圧力強まる - ロイター(5月22日)

 ライフネット生命も、3月15日に上場した時に初値が公募価格割れだったので、各方面からいろいろといわれましたが、3月26日には1282円になりました。

 しかし、その間は、会社の実態・中身は何も変わっていないのです。だから短期の株価のブレはデイトレーダ―以外はまったく気にする必要がないし、意味がないと思っています。フェイスブックにはいろんなポテンシャルがあるというのは、誰もがわかっています。

 これから伸びるかどうかのキーとなるのは社員。上場したことで多くの社員がお金を手にして、また次のベンチャーへ移っていく可能性もある。今やグーグルですら大企業化していますから、今後これだけ大きくなってしまったのに、いい意味でベンチャー精神を忘れずに新しいサービスを開発し続けられるか、ということにかかっているのかなと思っています。

『入社10年目の羅針盤』


岩瀬大輔氏の最新刊。部下に読ませる人も増えている。

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