「五輪報奨金で5000万円」顧客から苦情で上場廃止の企業とは?
金メダリストで最も高い報奨金を得たのは、“ヤワラちゃん”こと柔道の谷亮子選手(現・参議院議員)。アテネ五輪の時に、JOCから金メダルの300万円とスポーツ振興助成金が240万円。所属のトヨタ自動車からなんと1億円(推定)と特別車が贈られ、総額、1億540万円以上をゲットした。
ロンドン五輪のメダリストに対して高額の報奨金を出すのは、競泳日本代表オフィシャルパートナーのGMOクリック証券(東京都渋谷区、高島秀行社長)。金メダル1個獲得につき3000万円、銀メダルには300万円、銅メダルには100万円をそれぞれ贈呈する。リレー種目は、出場人数の均等割りで支給される。
加えて、日本水連が競泳のメダリストに支給する報奨金も、GMOクリック証券がすべて負担するという気前の良さだ。同社は05年10月設立という新しいネット証券。高島社長は旧ライブドアの出身。ベンチャー起業家、熊谷正寿氏が率いるGMOインターネット傘下の金融会社である。
競泳のメダリストには、GMOのほかに所属企業からの報奨金が加わる。平泳ぎの北島康介選手が所属するのは、コカ・コーラセントラルジャパン(日本コカコーラ)だ。
株式市場が最近、オリンピック関連銘柄と呼び始めた企業がある。自由形リレーの伊藤華英、平泳ぎの松島美菜、背泳ぎの渡邉一樹の3選手を送り出しているセントラルスポーツだ。フィットネスクラブの草分け的存在で、これまで24人のオリンピック選手を輩出している。
ALSOK(綜合警備保障)は、代表的なオリンピック関連株だ。レスリングの女子55キロ級の吉田沙保里、同63キロ級の伊調馨の両選手が所属している。2人がレスリングで日本初の五輪3連覇を達成した場合、日本レスリング協会は、金メダルの報奨金を1000万円以上に大幅に増額する。さてさて、ALSOKはどのくらい奮発するのだろうか。
ハンマー投げの室伏広治選手、競泳背泳ぎの寺川綾選手が所属するミズノや、内村航平ら3人の体操選手を送り出しているコナミもオリンピック関連だ。体操協会は規定で金50万円、銀30万円、銅20万円とシブちんだ。内村選手はコナミからの特別ボーナスに期待するしかない。
男子マラソンの藤原新、卓球女子の平野早矢香ら所属5選手がロンドン五輪に出場するミキハウス(三起商行、非上場)の木村皓一社長は、金メダルを獲得した場合、「5000万円ぐらいはあげないといかん」と、破格の金額を出すと明言している。ミキハウス所属の選手は92年バルセロナ大会から08年の北京大会まで5大会連続で、延べ8人がメダリストに輝いた。アテネ大会の柔道60キロ級で五輪3連覇を成し遂げた野村忠宏選手は5000万円(推定)の報奨金を手にした。