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USJ入場者数1億人…ライバル東京ディズニーランド追撃のカギを探る

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ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(「Wikipedia」より)
 去る10月29日、大阪市此花区にあるテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、開業4231日目(およそ11年7カ月)にして、累計入場者が1億人を達成したことは、すでに多くの人が知るところだ。

 しかしUSJにとり、これはあくまでも単に1つの通過点に過ぎない。東京ディズニーリゾート(TDR。ディズニーランドとディズニーシー)や、世界に目を転じればアメリカ・フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートなど、ライバルはさらに入場者数で先へ行っているからだ。しかもこの業界は消長が激しい。この数字に満足して投資を怠り、アトラクションやパレード等の革新を遅滞させれば、生き残りさえ難しいと言っていいだろう。

 例えばライバルのTDRは、83年4月の開園から7年と2カ月で1億人を達成、その後着々と数字を積み重ね、すでに5億人を大きく突破している。その上を行くのがディズニー・ワールド・リゾートで、年間4700万人を超える入場者を集めている。USJの場合、香港、上海などアジア各地に次々にオープンしているテーマパークなどと比較してみれば、確かに達成スピードは上位にランクされるし、開業2年目に、期限切れ食品の提供やアトラクションでの規定以上の火薬使用問題で顧客離れを起こしたことを考えれば、曲折を経ながらもようやく想定した軌道に戻ったといっていい。また西日本という極めて限定した地域で見れば、競争相手がいないのも事実である。だが、今見てきたように国内、あるいはグローバルに見れば、上には上がいることもまた同じく現実である。

●年末までに入場者数1000万人を超える

 とはいえ注目していいのは、ここへ来て数字が順調に伸び始めていることである。2011年度には開園10周年の記念プログラムを展開して、前年比20%増の入園者数を記録したのは、東日本大震災の影響などで観光客が西へ向けて動いたことから見れば当然としても、今年度に入っても集客トレンドは上向きに推移している。特に10月単月で見ると、年間1100万人と過去最高の入園者を記録した開業初年度の10月の入場者数を超え、その後もまずまずの動きである。「順調にいけば、年末までには1000万人を超えるだろう」と、高橋丈太広報室長は見通す。ちなみに昨年は、およそ880万人だった。

 好調の理由だが、1つは今年3月にオープンしたファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の集客力が大きい。テーマパーク内の小型パークと言うべきこの施設は総面積3万平方メートルもあり、スヌーピーやハローキティ、それにエルモなどセサミストリートのキャラクターが登場するアトラクションに、ショップ、レストランなど29施設がそろい、子どもから大人まで誰もが楽しめる。これまでも、USJは「子どもを呼び込む施設の強化」を戦略として掲げてはきたが、初めて子どもと家族が楽しく過ごせる、本格的施設が誕生したと言っていいだろう。実際に行ってみるとわかるが、ワンダーランドでは子どもたちの歓声が一日中響き渡り、これまでのUSJ園内にはない風景が現出している。

●相次いで投入されたアトラクションが功を奏す

 もう一つは、ここ数年相次いで投入した「ハロウィーン・ホラーナイト」に代表される期間限定アトラクションや、「マジカル・スターライト・パレード」、さらには絶叫系ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」など、開業当初の「映画のテーマパーク」からは離れて、かなり自由に発想された、数々のアトラクション、パレードなどの導入効果である。こうしたことにより、子どもやファミリーと並び弱点と言われた若い女性層の入園が増え、それとともに若い男性が引っ張られるように増えてきていることが挙げられる。来園者も、関西中心に中部以西が圧倒的だったが、首都圏などからの来園者も徐々に増えつつあるようだ。

「昨年の反動で、今年は少し入場者が減ることも覚悟していたが、増えているということは、世の中は不景気かもしれないが、他の競合するレジャーに比較してUSJは安心して遊べるし、楽しめると考えてもらえているということ、つまりブランド力が上がってきたのだとわれわれは理解している」と前出の高橋室長は語る。