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【報道ピックアップ】「会話についていけなくなる前に」(1月1日)

大みそかテレビ特番総ざらい!やる気なしフジ、他局頼みテレ東…

文=アラキコウジ
大みそかテレビ特番総ざらい!やる気なしフジ、他局頼みテレ東…の画像1「第45回 年忘れにっぽんの歌 公式サイト」
(テレビ東京HP)より

 日々忙しいビジネスマン&ウーマンに代わり、世に溢れるメディアの中から、知れば“絶対に”人に話したくなる報道や記事を紹介。日常でなんとなく耳にするあのニュース・情報の裏側や、テレビなどでは報じられないタブーに迫ります。

【今回ピックアップするテレビ番組】

『第45回 年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京/2012年12月31日)
『プロボクシング THE BEST OF BEST 究極の3大世界戦』(同)

 大みそかの夜、テレビ番組をザッピングしていましたら、なかなか面白い「テレビ各局の思惑」が見えてきました。

日本テレビ

 まずは、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の年末スピンオフ企画『絶対に笑ってはいけない』シリーズ。7回目となる今回は、『絶対に笑ってはいけない熱血教師24時!』が放送されました。相変わらずの安定感ではありましたが、見方を変えると、代わり映えしない演出で、ネット上でも「まぁ、録画して見ればいいか」「いつも通りだな」という声も多く見られました。確かに、リアルタイムで見る必要性はほとんど感じず、「大みそか=ガキの使い」と定着するのは、なかなか難しいかもしれません。ちなみに、当の出演者たちも実は少々飽き気味で、特にダウンタウン・松本人志は、「ダウンタウンも年が明けて50歳になりますから、あとはもう若手に任せてやってもらえたら……」と、マンネリ化した企画を今年で最後にしたいとも受け取れるコメントをしていました。

 が、このシリーズはDVDの売上げ・レンタルがかなり良いため、なかなかやめられないという大人の事情があるようです。ちなみに、『ガキ使』のレギュラー放送の視聴率は、特に良くもなく、こちらに関しては局側はもうやめたいと思っているようですが、年末特番をやるためだけに延命してるといっても過言ではない状況。さらに、今年は番組初の試みとして『絶対に笑ってはいけないパブリックビューイング24時 ー 渋谷ヒカリエ』も開催されましたが、参加者は昨年放送分を収録したDVD『絶対に笑ってはいけない空港24時』(12月5日発売)を買った人の中から抽選で招待される仕組みで、こうした取り組みから、今年の年末も確実に放送されるのではないかと思われます。

テレビ朝日

 次に、日本テレビと熾烈な年間視聴率トップ争いを繰り広げているテレビ朝日では、ドル箱『ドラえもん』の大みそか特番が復活。昨年3月3日に公開され、興行収入36.2億円というメガヒットを飛ばした『映画ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマルアドベンチャー~』(東宝)がテレビ初放送されるほか、新作アニメ4本も放送。さらに、スペシャルナビゲーターとして鈴木福くんと夢ちゃん兄妹を抜擢するなど、完全に他局とは違う子供路線を突き進むテレ朝。

 さらに、『ドラえもん』の後番組として、『お願い!ランキング 2012年テレビ朝日系列瞬間最高視聴率BEST100大発表SP』を放送。『ロンドンハーツ』『痛快!ビッグダディ』『相棒』や、昨年の全民放ドラマの中で最高視聴率をマークした『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』などの人気番組を放送することで、チャンネルを変えさせない作戦。高視聴率番組を多く抱えているテレ朝だからこそ可能なこの演出は、他局には絶対にマネできない、まさに「王者の戦い方」です。

TBS

 TBSでは、最近やたらと出まくっているビートたけしと爆笑問題が司会を務める『大晦日スポーツ祭り! KYOKUGEN2012』を放送。正直、ビートたけしも爆笑問題も必要なかったと思うわけですが、スポーツ好きな人は、このチャンネルで決まりだったのではないかと思います。個人的には、清原・桑田のKK対決も、メッシ・澤のバロンドール対決も、大人数フェンシング対決も、マー君(田中将大)の悪投退治も、横峯さくらの水切りショットホールインワンにも、大して興味はなく、メイン企画の「井岡&宮崎ボクシングダブル世界戦」が最も「強コンテンツ」でした。最近のボクシングは、亀田兄妹のしょっぱい試合ばっかり見ていたので、井岡一翔選手が2階級制覇をKOで決めてくれたことで、昨年1年間のボクシングファンのモヤモヤをスッキリしてくれました。あれこそ、ザ・ボクシングです。さらに、井岡&宮崎という2人の世界チャンピオンが誕生したのは番組としてラッキーでしたし、2人が高校の同級生で親友というのは、ドラマがひとつ乗っかり、さらに「強コンテンツ」となりました。

フジテレビ

 フジテレビで放送された『世界の鉄人ドリームマッチ! アイアンシェフ生対決スペシャル』は、放送前から「フジテレビが、早くも大みそかの視聴率争いにさじを投げた」と失笑をかっていたわけですが、オンエアを見て確信しました。全然、面白くない。面白くなさ過ぎて面白かったです。そもそも、視聴率が5%台の打ち切り寸前のレギュラー番組『アイアンシェフ』で6時間特番つくるとは、無謀にもほどがあります……。しかも、番組内サプライズが、和の鉄人・道場六三郎の復活って、弱すぎです。いまさら道場氏を復活させたところで、過去の活躍を知らない人たちばかりなんですから、「あのオッサン誰?」状態になるのは間違いない。

 そこまでして『アイアンシェフ』で特番を組みたかったのは、日テレに近い事情がフジテレビにもあるようです。フジテレビは、映画『BRAVE HEARTS 海猿』やイベント『ツタンカーメン展』『お台場合衆国』などのいわゆる「放送外収入」を重視しているというもっぱらの噂で、今回アイアンシェフたちがつくったメニューを、『お台場合衆国』で販売して儲けようと考えているのではと勘ぐってしまいます。

 さらにもうひとつ言われてるのが、来年放送される江口洋介主演のドラマ『dinner』を絶対に失敗できないという話。そもそも江口は、昨年放送された武井咲主演のドラマ『息もできない夏』に出演し、視聴率は大惨敗。もう江口主演のドラマを失敗できないという危機感もあり、『アイアンシェフ』を番宣番組として利用したかったのではないでしょうか。『アイアンシェフ』レギュラー陣の玉木宏も『dinner』に出演しますから、誰がどう見ても完全に番宣番組でしたね。ここまで、番宣色を全面に出されると、逆にアッパレという感すらあります。

NHK

 そして、大みそか番組の王道といえばNHKの『第63回 NHK紅白歌合戦』。嵐と堀北真希の司会で、午後7時15分から生放送が開始されると、他局番組の視聴者が一気にNHKに流入したのを、2ちゃんねるの実況板などで確認できました。おのおの好きなアーティストがいると思いますし、見所は多々あったと思います。

 例えば、小林幸子と美川憲一が選ばれなかったのをよいことに、完全に小林・美川ポジションを狙っているとしか思えない水森かおりの腹黒さとか、出て来た瞬間はまったく誰だかわからなかった美輪明宏などが、印象に残りました。もちろん、嵐だけ予算のかけ方が明らかに違う演出とか、LIVE中継といいつつCG合成かと見間違うMISIAなども、なかなか見所でした。

 ですが、個人的にグッと来たのは、ももいろクローバーZ(ももクロ)の『サラバ、愛しき悲しみたちよ〜行くぜっ!怪盗少女6人Ver.メドレー』の中で、メンバーの名前をコールした瞬間。何とコールしたかというと、「レニ・カナコ・アカリ・シオリ・アヤカ・モモカ」と言い、モノノフ(ももクロのファンの総称)の間では、直後からこの話で持ちきりとなりました。ももクロのメンバーは現在5人ですが、コールされた名前は6人。ももクロは、結成当時は6人のグループで、「ももいろクローバー」という名前でした。そこから、早見あかりが1年少し前に脱退して5人になり、「ももいろクローバーZ」になったのです。つまり、「紅白には5人ではなく、結成当時に苦労した6人で出演している」という、現メンバーからのメッセージだったというわけで、なんとも、泣ける話ではないですか。

 というわけで、やはり大晦日は王道を行ったNHK勝利の感がありますが、もう1局、お忘れではありませんか?

テレビ東京

 そうです、昨年12月16日の池上彰の選挙特番で大金星をあげたテレビ東京です。少ない予算でやりくりすることでは、右に出る局はないといわれるテレ東が、またまた、やってくれました。

 まず、午後5時から『第45回 年忘れにっぽんの歌』を4時間半にわたり生放送。司会は徳光和夫、竹下景子、中山秀征で、北島三郎、五木ひろし、石川さゆり、天童よしみなど、日本を代表する人気演歌歌手が出演し、ヒット曲を披露する純演歌音楽番組で、1年を締めくくる番組としてはいい感じの番組だと思いました。しかし、この番組、完全に紅白歌合戦の前座番組として構成されていました。開始時間も紅白よりだいぶ早い時間から始まっていますし、紅白が始まるまでの間だけ、視聴率を取れればいいと考えたのではないかと思えてきます。

 さらに、この番組の後、午後9時30分から『プロボクシング THE BEST OF BEST 究極の3大世界戦』を差し込んでいましたが、これは、TBSのボクシング番組見ていた人に対して、「仮に井岡が早いラウンドで相手をKOした場合には、こっちを見て下さいね」というメッセージを感じさせる構成。まさに、他人のふんどしで視聴率を取る戦略だったのではないかと、個人的には高く評価してます。
(文=アラキコウジ/ネタックス

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アラキコウジ

アラキコウジ

人力情報キュレーションサービス『ネタックス』を主宰。さまざまなメディア情報の中から、本当に使える情報をピックアップする、忙しい現代人のための時間短縮ツール。情報を単にクリッピングするだけではなく、大量のメディアを横断的に見ることで持ち得た独自の視点によって、よりわかりやすく面白く解説された“ネタ”として配信されるのが特徴。ビジネスマンのマストツールになるべく、日々鋭意運用中ですが、使える情報源の宿命でもある「人に教えたくない」スパイラルにはまっており、解約者がほとんど出ない割に、利用者がなかなか増えないことが目下の悩みのタネ。夢は、ネタックスの利用料だけで生きていくこと。

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