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トヨタ、パナソニックなどで、大物の社外取締役が続々誕生

JALとパナは初の女性取締役 東電、伊藤忠も女性の執行役員 大企業の舵取りも女性が握る時代到来!?

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取締役にアテンションプリ〜ズ。
(「JAL HP」より)
 トヨタ自動車はその歴史の中で社外取締役を初めて導入する。社外取締役は日本生命保険の宇野郁夫相談役(元社長、会長)、元米ゼネラル・モーターズ(GM)のマーク・ホーガン氏、元国税庁長官の加藤治彦証券保管振替機構社長の3人。ホーガン氏は、かつて米カルフォルニア州にあったトヨタとGMの合弁企業の経営に当った経験を持つ。6月の定時株主総会とその後の取締役会で正式に決定する。

 創業以来、初めて社外から取締役を招いたことについて豊田章男社長は「より開かれた(会社)というようにまわりから思われる体制が必要だ」と語った。

 トヨタは、奥田碩氏が95年に社長に就任して以降、張富士夫氏、渡辺捷昭氏と3代にわたって創業家以外の社長が続いた。09年に大政奉還が実現。豊田章男氏が6人目の創業家社長になった。現経営陣と確執が取り沙汰された奥田氏は社外に去り、渡辺氏も6月に退任する。豊田社長とその側近体制が完成した。創業家による経営への不安を払拭し、経営の透明性を高めるために社外取締役を導入した。

 ヤンマーの持ち株会社ヤンマーホールディングスの社外取締役には、4月1日付けで工業デザイナーの奥山清行氏が就任した。奥山氏はポルシェやフェラーリなど高級外国車のデザインで知られる。ヤンマーは欧米でヨット用小型エンジン、日本では農機メーカーとして知名度が高い。奥山氏はトラクターやプレジャーボート(レジャー用の船舶)を新たに設計し7月末に試作モデルを公開する。同氏の就任はブランドや情報発信の強化が狙いだ。


 女性役員の登用も新たな潮流だ。日本航空(JAL)は客室乗務員(CA)出身の大川順子氏が4月1日付けで専務執行役員に就任。6月の株主総会後の取締役会で正式に取締役になる。女性社員がJALの取締役に就くのは初めてのことだ。大川氏は、数千人規模のCA部隊を束ねるトップとして機内サービス向上に尽力。経営破綻前に低下していた顧客満足度の改善に貢献した。

 また、パナソニックでも初の女性取締役が誕生する。元経済財政担当相の大田弘子・政策研究大学院教授が、6月26日開催の定時株主総会で社外取締役に就く。1世紀近い社歴でこれまで女性取締役はいなかった。大田氏は00年7月から2年間はアドバイザリー・ボードのアドバイザーを務めていた。

 安倍晋三政権で規制改革会議の議長代理を務める大田氏は、電機メーカーを含めた日本企業全般について「GEやシーメンスのように事業を大胆に成長分野に集中させることが必要だ」と指摘。その手段としてM&A(合併・買収)を例示してきた。パナソニックの社外取締役になる大田氏は、パナでも「M&Aでリスクを取るべきだ」と主張することになるのだろうか?

 東京電力は、福島第1原子力発電所事故の損害賠償を担当する佐藤梨江子グループマネージャー(課長級)を4月1日付で執行役員に登用した。

 東電は04年に執行役員制度を導入して以来、初の女性執行役員だ。取締役や執行役を含む役員に社内の女性が就くのは初めて。48歳の佐藤氏は内部昇格者としては過去最年少の役員である。原発事故で信頼を失った東電が新生をアピールする狙いがある。

 伊藤忠商事では4月1日付で池みつる氏が執行役員法務部長に就任した。池氏は米国で弁護士資格を得た後、米法律事務所を経て00年に伊藤忠に入社し、一貫して法務畑を歩んできた。国際的なM&Aが増えるなか、法務の専門家としての活躍が評価された。商社大手で女性の執行役員は初めて。池氏の46歳という若さも異例だ。伊藤忠は今後とも女性の登用を進める方針だ。

●オリンパス事件を見逃した社外取締役を置く意味とは?

 独立行政経済産業研究所(RIETI)によると東証1部上場で社外取締役のいる企業は、11年3月現在で47%にとどまる。1部上場企業の取締役全体に社外取締役が占める割合は約10%。米国の70%、英国の50%より低いばかりか韓国の30%強にも及ばない。

 コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から、ボード(取締役会)を社内昇進者で固めた日本企業の体質が、数々のスキャンダルの温床になってきたとの指摘がある。だが、社外取締役がいたとしても、企業統治の強化に、直接結びついているわけではない。オリンパスの社外取締役は永年、粉飾決算を見逃してきた。ソニーの外国人の社外取締役は、ハワード・ストリンガー氏の隠れ蓑、“親衛隊”と呼ばれた。