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家電量販店の敵は同業他社でなくアマゾン

2期連続減収ヤマダ電機全役員が降格 創業会長が社長に異例復帰の舞台裏

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(ヤマダ電機LABI渋谷店 
「Wikipedia」より)
 山田昇会長(70)が6月27日付で社長に復帰する。一宮忠男社長(57)は代表権のある副社長に降格する。上場以来初めて2期連続減収減益になったことを受けて、取締役全員の役職を段階ずつ下げるという、懲罰的な人事を断行する。

 6月27日以降も、CEO(最高経営責任者)は山田氏、COO(最高執行責任者)は一宮氏だが、山田氏が社長に復帰すれば、実質的には山田氏がCOOを兼務するのと同じになる。

 2人の執行役員副社長が執行役員専務になる。5人の執行役員専務は同常務に、7人の同常務は上席執行役員になる。各役員の担当分野に変更はない。仕事は同じで格下げになるわけだ。

 2013年3月期の配当は従来予想より16円少ない60円(その前の期は76円)とすることも4月30日に発表した。

 率直に言う。経営責任とは何か。ヤマダ電機のような「超」の字がつくワンマン会社の経営が厳しい情況になったら、誰が責任を取らなければならないか。誰の目にも明らかだろう。企業も魚も頭から腐るという。前代未聞の全役員の降格人事を発表した山田昇氏はこの言葉をご存知だろうか。

●家電量販店が薬を売る時代。ビックカメラ、コジマは最終赤字。ヤマダは62%減益

 家電量販店が薬を売る時代になった。ビックカメラは4月5日から通販サイト「ビックカメラ・com」で副作用のリスクが比較的低いとされる第3類の一般用医薬品(市販薬)の販売を始めた。扱うのはビタミン剤や整腸薬など540品目。市販薬のネット販売規制を無効とした1月の最高裁の判決を受け、ネット通販サイトで医薬品を扱うことにした。当面は国がネット販売を認めてきた第3類のみで、副作用のリスクが高い第1類や第2類は扱わない。

 家電量販店の通販サイトで薬を買う消費者がいるのかどうかということよりも、家電量販店が薬を売らなければならないほど販売不振が深刻だということなのだ。家電エコポイント制度と地上デジタル放送への移行に伴う需要の反動で、市場の低迷はずっと続いている。アベノミクス景気は家電量販店の頭上を通り過ぎていっているかのようである。

 ビックカメラの13年8月期第2四半期(12年9月~13年2月の累計)は、ゴジマのグループ化で売上高は前年同期比52%増の3997億円となった。一方でベスト電器を持分法適用から除外したことで発生した、投資有価証券評価損25億円を特別損失として計上。その結果、当期損益は11億円の赤字(前の期は19億円の黒字)となった。通期では10億円の黒字を見込んでいるが、それでも前年に比べて75%の減益だ。

 ビックの傘下入りに伴い、コジマは決算月を3月から8月に変更した。13年8月期第2四半期(12年9月~13年2月の累計)の当期損益は、29億円の赤字。通期でも22億円の赤字を見込む。従来予想は23億円の黒字だった。

 家電量販店のガリバーとして君臨するヤマダ電機も例外ではない。国内のシェアは30%弱だ。

 ヤマダは4月22日、13年3月期通期の業績見通しを下方修正した。売上高こそ、従来の1兆7180億円から1兆7040億円(前期比7.2%減)と小幅な減収にとどめたものの、本業の儲けを示す営業利益は573億円から330億円(同63%減)へと大幅な減益に。当期利益は340億円から220億円へと引き下げた。12年3月期の当期利益583億円から62%の最終減益だ。