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山本一郎

パナにソニー 家電業界の撤退リストから見る、各社の苦悩と戦略(前編)

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(「Panasonic HP」より)
――投資家として企業情報を幅広くをウォッチするあの山本一郎氏が、国内外の経済・企業スキャンダルから、テレビ・芸能ネタまで、幅広くチョイス。今回は、苦境が叫ばれ続ける日本の家電業界について撤退した事業に関するニュース記事をピックアップしていただきました! 各社への寸評とともに前後編でお送りします。

 苦境からなかなか抜け出すことのできない総合家電メーカーの状況を伝える報道が増えてきました。それはもちろん、収益性が確保できない各種事業からの撤退や、同じく将来性がない技術に基づいた製品の見切りなどがメインですが、共通して感じるのは「収益性のないものからは撤収、事業を絞り込んで再編を目指す」わけではない点です。

 例えば、パナソニックについてはプラズマ事業からの撤収がいまごろになってニュースになりましたが、テレビ市場におけるプラズマのシェアはすでにほぼゼロになっています。もはやプラズマ型テレビについていうならば投げ売りに近い状態の市場環境であるにもかかわらず、いままで何故この技術に固執し温存してきたのか、外部からはさっぱり分かりません。

 その一方で、コンテンツ事業による顧客の囲い込みを目指す的な、出版事業への進出を決めています。はっきりいって、松下印のコンテンツにロイヤリティのあるユーザーなどほとんどいません。進出するべき事業が、例えば電子書籍というのはハード屋としては考えそうなことですが、その一方で垂直統合的なモデルにパナソニックが進出することのリスク、無謀さというのは、パナソニックが過去に行ってきたコンテンツ事業に対する「コンテクスト」から容易に感じられることだと言えます。

 そんなこんなで、泣くほど面白い撤退リストを上から並べてみると見えてくることもたくさんあるかなあと思うので、みんなで頑張ってウォッチしましょう。

【パナソニック・松下】
寸評:右往左往する家電の雄、パナソニック。戦略的にはもはや一貫したものは撤退事業からは類推できず、今後どこで収益を上げていくのか、生き残っている販売網にどのような製品を流していくつもりなのかも分からない状態になっています。「いつまでもパナのブランドで製品が売れると思うなよ」という市場のメッセージはきこえないのでしょうか。

パナソニック、携帯事業も売却検討 台湾端末メーカーなど候補ーーSankeiBiz (2013年3月19日)

パナソニック、来年度にも出版社買収を検討 ヘルスケア事業は売却ーーSankeiBiz/Yahoo!ニュース(2013年3月17日)

パナソニック、TV事業を大幅縮小 プラズマ撤退へーー日本経済新聞 (2013年3月18日)

ついにパナソニックまでもがプラズマパネルの開発から撤退、有機ELに特化へーーBUZZAP! (2012年12月18日)

パナソニックモバイル、欧州のスマホ事業から撤退へーーケータイWatch (2012年10月31日)