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日産、キヤノン…円安効果打ち消す中国リスク高まる〜業績下方修正、販売減

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キヤノン本社(「Wikipedia」より/上野)
 円安が収益を支える一方、中国市場が足を引っ張るという構図が業界に広がってきた。

 日産自動車の2013年4~6月期の世界販売台数は117万台と、前年同期比で3.3%減った。台数減の最大の要因は、中国での落ち込み。販売台数全体の2割以上を占める中国での販売(決算期の関係で1~3月分を反映)は28万4000台と、同15.1%減った。尖閣諸島問題による反日感情の影響が残った。

 それでも3月に新車を投入したことが奏功し、4月以降は回復に向かいつつあるという。決算上は7~9月期に反映される中国の4~6月分の販売台数は30万8000台と、同1%減で下げ止まっている。6月頃から中国経済全体の失速が明らかになってきたが、現地の日産の販売金融会社の資金調達に支障が出ることは、今のところないという。

 13年4~6月期の連結当期利益は820億円と、同14.0%増えた。中国や欧州での販売の苦戦を、円安がカバーした格好だ。14年3月期(通期)の連結当期利益の見通しは、13年同期比23.1%増の4200億円を据え置いた。530万台を計画している世界販売台数もそのままだ。

 キヤノンは、13年12月期(通期)の連結当期利益の見通しを2900億円から2600億円に引き下げた。4月時点で円安・ドル高を理由に、当期利益の予想を2550億円から2900億円に上方修正していた。わずか3カ月で予想を見直し、下方修正したわけだ。

 中国の景気減速を受け、デジタルカメラが想定以上の販売不振となった。低価格帯のコンパクトデジカメの顧客をスマートフォン(スマホ)に奪われた。年間出荷台数計画を1450万台から1400万台に下方修正し、前期比23%減を見込む。4月に続く減産である。

 コンパクトデジカメの不振を補うものと期待されていた、レンズ交換式デジカメ(一眼レフとミラーレス一眼)の販売の変調が痛かった。特に中国で、高価格帯の一眼レフの販売が鈍った。

 キヤノンは、4月時点では、中国景気は5月から回復に転じると見ていた。だが、実際は過剰投資や「影の銀行」問題から景気減速が強まり、売り上げに悪影響を及ぼした。国内では、一眼レフが3月・4月に過去最高の出荷台数を記録したのとは好対照だ。

 中国市場の目算が狂い、レンズ交換式の出荷台数計画も、920万台から900万台に引き下げた。この結果、13年12月期の連結売上高は1300億円(11%)減額して(前期比では10.6%増)とした。

 下方修正を嫌気し、7月2日の決算発表後の2日間で株価は8%下落し、7月30日に年初来安値となる3005円をつけた。株価急落で、時価総額でもベスト10から外れてしまった。

●ファナック、減益の原因はスマホと中国

 工作機械大手・ファナックの13年4~6月期の連結当期利益は227億円で、前年同期比で35.5%減った。減益の原因はスマホと中国だ。中国の工作機械市場でスマホの設備投資が一巡。NC(数値制御)の工作機械の売り上げの伸びが止まった。NC装置で6割の世界シェアを握るFA(ファクトリーオートメーション)部門の売り上げが、昨夏以降、中国などアジアで減少した。

 そこで、力を入れたのが「ロボドリル」と呼ばれる小型の工作機械だ。米アップル社が製造を委託している台湾の鴻海精密工業をはじめとするEMS(受託製造サービス)から、ロボドリルの受注が11年頃より膨らんだ。12年末には、ロボドリルの生産を従来比2倍の月産5000台という世界最大規模に引き上げた。米アップル社のiPhone 5に対応した設備増強である。だが、iPhone 5の販売が低調のため、EMSからのロボドリルの注文が急減した。ロボマシン部門の4~6月期の売り上げは152億円と、同69.3%の大幅減となった。

 ファナックは先行きの需要が読みにくいという理由で、14年3月期通期の予想を公表していない。13年4~9月期については売上高2020億円(同23.4%減)、当期利益410億円(同38.8%減)とした従来予想を据え置いた。

 日産、キヤノン、ファナックなどのグローバル企業の決算には、中国リスクが色濃く影を落としている。

 キヤノンは、4月下旬に「円安・ドル高」を理由に純利益の予想を2550億円から2900億円に上方修正していた。ところがわずか3カ月で、2600億円に下方修正したわけだ。2550億円→2900億円→2600億円である。「それだけ経営環境が流動的だ」と田中稔副社長は釈明した。株価が低迷しているのを気にして4月下旬に業績を上方修正したが、これが完全に裏目に出て、株価が再び急落した。

 キヤノンの業績の下方修正は、円安・ドル高(ユーロ高)に浮かれた輸出関連企業(国内製造業)の一つの典型といえる。今後も、同じようなところが出てくるだろう。工作機械の大手で中国の比重が高いツガミの4~6月決算も不振だった。
(文=編集部)