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鮫肌文殊と山名宏和、と林賢一の「だから直接聞いてみた」 for ビジネス

人気スーパー・コストコ、年会費4200円はなぜかかる? コストコさんに聞いてみた

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コストコ尼崎倉庫店(「Wikipedia」より/Kirakirameister)
 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、人気会員制倉庫型スーパー、コストコの年会費に関する疑問について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】
コストコホールセールジャパン様
 
 テレビのバラエティ番組において、用意していたいろんな企画がやんごとなき事情でバタバタと中止になってしまい、さらに「ロケ日までの準備期間がわずか3日しかない……」というような不測の事態に陥った場合の、「伝家の宝刀」がある。いったいなんだと思いますか?

 答えは、「買い物ロケ」。なんの意外性もない、がっかりな答えですみません。でも、買い物ロケほど手っ取り早く尺の埋まるロケもないのだ。
 
 例えば、今話題の大型量販店へ行くとする。その「今話題」というだけで、場所への興味に付加価値がすでに付いている。さらにその売り場に山のように積まれた商品。そのひとつひとつが、実は情報のかたまり。新製品だったらどうやって使うのか? どんな人が買っていくのか? 肝心の値段はいくらなのか? いくらでも情報を乗せられる。

 そして、買い物している時のナチュラルハイな高揚感。欲しいものを買う時のワクワクする感じは、どんな人にも経験があるはず。買い物ロケに臨む出演者のそんな高揚感は、共感を持って見ている側にダイレクトに伝わるのだ。また、買い物は誰もが日常的にやっていることなので、出演者のプライベートの素の顔が見えやすいという利点もある。なにより一番時間がなくて追い詰められた番組制作側にとって優れたポイントは、場所さえ仕込んでロケ前日までに売り場のロケハンさえ済んでいれば“なんとかなる”ところにある。最低限、テレビ番組として成立はしてくれるのだ。

 だからといって、制作側が安易に乱発する最近のテレビの街ブラ&買い物ロケの多さに辟易している視聴者の気持ちもわかる。何百何千回と行われてきた買い物ロケでも、ちゃんとした番組はそこにオリジナルなアイデアを一発かましている。確かに同業者の目で見ていても、ホントになんも考えてない「何も足さない、何も引かない」ダメダメ買い物ロケは存在する。全部チェックして注意して回るわけにもいかないので、せめて自分が担当した番組ではやらないことを気をつけるしかない。

 さて、今回のギモンはそんな「買い物ロケ」でもお世話になったことのある、話題の(笑)アメリカ生まれの会員制倉庫型スーパー、コストコについてである。実はここ、会員になるのに年会費が4200円もかかるのをご存じでしょうか? 日本人の感覚からすると、少し高いような気もするが……。

 だから直接、コストコホールセールジャパンさんに聞いてみた。

「コストコの会員になるのに年会費が4200円とは、スーパーにしては高すぎませんか?」

担当者 そうですね……こちらで4200円頂いてる理由は、もしですね、こちらで何か購入した場合に、不良品があった場合ですね、無期限で返金させていただくという保証の内容がありまして。

--ちなみに、今後年会費を下げることを考えてはいないんですか?

担当者 そうですね。今のところはないですね。ですが、個人の方でしたら特別会員というのがございまして、個人で会社をお持ちでしたら、ビジネスメンバーという会員になって、3675円でご利用いただけます。

 でもそれって、普通の家庭の主婦には関係ないよなあ。次に、入ったはいいけど、あとになって「やっぱ違うな」と思い直して会員をやめるとどうなるのかも聞いてみた。

担当者 そうですね。一応、1年以内の契約ですと、会員様の方にご返金させていただいてるんですが、その後、1年間は、ご本人様は入会できないことになっております。

--そうなんですか。なぜでしょうか?

担当者 まああの、会員費の全額バックをしておりますので、うーん、なんというか、ペナルティというか、1年間は再度契約できないというかたちになっております。

 さすがアメリカ生まれのシステムだけあって、日本のスーパーのように「消費者との阿吽の呼吸でひとつよろしく」ではなく、厳密に契約で決められているようだ。

 あと、コストコって郊外店ばっかなので、東京都内への出店はないのかを聞いてみたが、今のところ予定はないとのこと。倉庫店で売り場面積がいるため、郊外中心なのかもしれないが、もしうるさいクレーマー消費者がうごめく都内に出店したら、高い年会費を含めてアメリカ流のやり方が利用者と揉めそうな気がするのは私だけでしょうか……。

 やっぱり私は、会員にならなくても気軽に利用できる近所の日本のスーパーがよいなあ、今回の取材を通じて正直そう思ったのでありました。
(文=鮫肌文殊/放送作家)

【近況】
 この10月に本欄担当の山名と、リリー・フランキーさんMCの音楽特番をNHKのBSプレミアムでやります。大好きな昭和歌謡がテーマ。趣味のアナログ・レコード集めで培った知識が生かせそうで嬉しいっす。

●鮫肌文殊(さめはだ もんぢゅ)
1965年、神戸にて誕生。放送作家。『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)、『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)などを手がける。