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ブラック企業アナリスト・新田龍「あの企業の裏側」第13回

強制わいせつ裁判敗訴の野村総研、被害女性支援者を控訴へ~法曹界から「詭弁」との批判も

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筆者の取材依頼に対する野村総合研究所の回答
 「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、数多くの企業の裏側を知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない「あの企業の裏側」を暴きます。


 株式会社野村総合研究所(東証一部/以下、野村総研)は、同社中国北京社副社長だったY氏による女性への強制わいせつ行為、その通知を受けた同社による被害者女性側への脅迫行為、Y氏によるつきまとい行為が、東京地裁で「真実の通り」として認定されたことを受け、その取り消しを求めて東京高裁に付帯控訴のかたちで控訴したことがわかった。

 同事件は、Y氏が取引候補先企業の日本人営業担当女性社員を会社のメールで呼び出し、さかんに酒を飲ませ酔わせた後、女性が乗るタクシーに乗り込んで性的嫌がらせを行い、さらに女性のひとり暮らしの自宅にまでついていき猥褻行為を働いたとされる、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」である(事件内容の詳細はこちら)。

 この強制わいせつ行為の通知を受けた野村総研は、弁護士を使って「裁判にするなら友だちを法廷に呼び出してやる」「法的措置をとる」などと被害者女性に脅迫的な対応を繰り返した。そして同社の行為が社会的に悪質すぎるとして、被害者女性を支援する団体の一人(以下、支援者・A氏)が告発したが、ほかにもY氏による行為の被害者女性が多数いることを知った同社は、A氏と被害者女性の一人を「名誉棄損」だとして東京地裁に提訴していたのだ。

 まず、被害者女性に対し起こされた裁判においては、当初から野村総研は性犯罪が親告罪であることを悪用して、被害者女性を裁判を使って恫喝し性犯罪の立件をさせないようにする手口を使っているのではないか、という批判が数多くなされていた。そして同社は被害者女性を訴えておきながら、裁判ではなんら名誉棄損の事実を証明することができず、被害者女性と和解もできずに訴えを取り下げて、実質上、同社の全面敗訴が確定した。

 そして、支援者・A氏に起こされた裁判では、9月13日に東京地裁民事15部合議A係において判決が言い渡され、三角比呂裁判長は「野村総研の猥褻行為、その上での被害者女性側への脅迫行為、加害者の被害者女性へのつきまとい行為は真実の通りであり、告発に公共性、公益性も認定され名誉棄損、業務妨害にいずれもならない」という主旨の判決を述べて、訴訟費用の負担割合を「野村総研:A氏=9:1」と、告発内容のほとんどについて「真実の通り」と認定した。しかし同時に判決においては、「A氏の告発内容には『野村総研はブラック企業である』と、同社が恒常的に悪質な行為を行っているような心象を受ける表現があったが、その部分については証明が足りないなどとして、告発内容の一部のみ認容をする判決となった。

●野村総研を控訴へ