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重機萌えビジネス、なぜ密かにブーム?特集本、模型…重機メーカー各社も積極展開

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『超重機アスタコNEO』(マイナビ)
 工場萌え、廃墟萌え、ダム萌え、鉄塔萌え、ジャンクション萌えなど、男性の琴線に触れるマニアックジャンルが続々話題になる昨今。それらの萌えをテーマにした写真集やグッズが数多く販売され、新たなマーケットを生み出しているのは周知の事実である。

 そんな中、昨年ごろから注目度が増しているのが重機萌え。子供の頃にショベルカーやクレーン車などに目を輝かせていた人もいるだろうが、昨年6月に出版された『超重機アスタコNEO ~1/22 スケール超精密ペーパークラフト「アスタコNEO」付き~』(マイナビ)は重機好きだけでなく、ガンダムなどのロボットアニメファンからも熱い視線を浴びているのだ。

 これまで重機を扱った本は児童向けのものか、建設業界に従事している人向けの専門書などばかりだったが、こちらはまぎれもないファンブックとなっているのが特徴。なんと30ページ近くにわたって日立建機の油圧ショベル・アスタコNEOのダイナミックな写真が掲載され、さらにディテールまで綿密に再現された1/22ペーパークラフト付きという点から明らかだろう。

●アスタコNEO本が異例の完売

 そもそもアスタコNEOとは、一昨年の秋に日立建機が製品化を発表し、「油圧ショベルの歴史を変えるロボット化への挑戦」と銘打たれ話題を呼んだ重機。巨大な2本のアームとガンダムのコックピットをモチーフにしたという操縦席が特徴で、今までにない複雑な動作ができるなど技術的にも高い評価を受けた名機である。

 この本の編集者である岩井浩之氏は自他共に認めるガンダム好きだそうで、「アスタコNEOを見た瞬間、僕たちが生きているうちにガンタンクぐらいはできるんじゃないかと心躍りましたね。普通に考えれば一機のショベルカーだけで写真集的な本を出すというのは相当無謀なんですが、ぜひとも実現したかった」という熱意のもと、同書の企画立案から制作まで尽力したという。

 また、「この本がきっかけでアスタコNEOは、あの人気漫画『機動警察パトレイバー』の原作者であるゆうきまさみさんにも絶賛していただけた」(岩井氏)とのことで、その効果もあってかほぼ完売状態。日立建機の新機種での続刊も検討されるほどの売れ行きだったそうだ。

 このほかにも昨年2月に発売された『重機の世界』(高石賢一/東京書籍)も重機の写真がふんだんに盛り込まれた萌え狙いの本で、こちらも好評を博している。

●数万円の高額ミニチュアの販売も堅調

 もちろん重機萌えビジネスは本だけにとどまらない。「大型重機ミニチュア戦略研究機関」は、建機・重機建設機械を扱う独メーカー・LIEBHERR社(リープヘル)の重機ミニチュアをネット販売しているネット通販ショップだ。

「ドイツの重機は日本よりもはるかに大きく、ミニチュアとはいえど迫力は満点。新作が出るたびに予約が殺到するほどです。特に人気なのが『LTM11200-9.1』(8万1900円)と『LTM1350-6.1』(4万5045円)。どちらも超巨大クレーンです。ミニチュアとして考えると高価に思えるかもしれませんが、それでもひと月に10個は売れますね」(同ショップ店長)

 実は重機のミニチュアは、有名重機メーカーから発売されていることも多い。

 業界大手のコマツは、ウェブサイト「コマツオンラインショップ」にて自社の重機ミニチュアやキーホルダーなどのグッズを販売している。先ほど紹介した日立建機も「日立建機トレーディング」からミニチュアを販売している(アスタコNEOはまだ未発売)。川崎重工業や住友建機なども同じように重機模型を販売しており、いずれもビジネスとして十分成立するほどの好調な販売数となっているようだ。

 2020年開催の東京オリンピックに向け、建設業界は盛り上がりを見せているが、それに伴い、重機萌えビジネスもさらなるムーブメントになっていくことが予想される。
(文=昌谷大介/A4studio)