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テレ朝、なぜ3月に“無理多い”スペシャルドラマ連発?米倉、SMAPら豪華主演のワケ

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『宮本武蔵』公式サイト(「テレビ朝日 HP」より)
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。

 テレビ朝日が立て続けにスペシャルドラマを連発している。米倉涼子主演の『家政婦は見た!』(3月2日放送)、草なぎ剛【編註:「なぎ」の正式表記はゆみへんの漢字】主演の『スペシャリスト2』(3月8日放送)。次に控えるのは木村拓哉主演『宮本武蔵』(3月15・16日)だそうな。正直すべてが「キツイわぁ~」という印象だ。それなりに視聴率が好評のテレビ朝日は、さらに「大手芸能事務所への接待」を開始したのかと思うと、感慨深いものがある。

『家政婦は見た!』は、人もうらやむ超美人が美人ゆえのトラウマを抱え、あえてのブスメークを敢行するという、まあ突飛な設定。連ドラで高視聴率を稼いだ米倉へのご褒美か。いくらブスメークを施したって美人は美人、抜群のスタイルは隠せない。おかっぱヅラにソバカス&ほくろ、映画『マルサの女』の宮本信子風メークも、米倉が施すと「間違いなくイヤミ」にしかならない。たとえガニ股で歩いたとしても、体から漏れ出る自信は隠しようもない。

 おまけに本来の美人スタイルで高飛車にウインドウショッピングするシーンを入れ込み、「アタシってばどうしようもなくキレイでしょ」のアピールも。全国のブスは「ふざけんな」と憤るしかない。美人が陥りがちな「ブスってこういう感じでしょ」という思い込みは、ホンマモンのブスからすれば「ブスをなめんなよ!」である。

 百歩譲って、ドラマの内容がよければブスも溜飲が下がるってもんだ。ところが内容も稚拙。高視聴率だったらしいが、あのドラマのレベルはハッキリ言って底辺だと思う。過去の同シリーズで主演を務めた市原悦子がますます神格化されるだけだ。米倉も「ブス役やりたかったんだよね」くらいで満足してはいけない気がする。コミカルな動き=ブスと思ったら大間違い。本当のブスの一挙手一投足を観察し直してほしい。

●草なぎ剛の使い方

 また、『スペシャリスト2』は設定がちゃんちゃらおかしい。元犯罪者で、冤罪で釈放された警察官で、しかも知能犯罪のスペシャリストってさぁ。ツッコミどころ満載でもある。でも、物語の展開には惹きつけるものがあったし、2時間飽きずに眺めることはできた。上川隆也が久しぶりに男っぽくて(普段どことなくオバサンっぽい役が多いので)、知性のある役を好演していた。南果歩の甲高いキーキー声もなんとか我慢できた。うん、確かに最後まで視聴はできたんだが、主役の草なぎ剛がねぇ……。知的な役柄はやめたほうがいい。まったく合わない。滑舌がついていけていない。SMAPを知らないお年寄りや2時間ドラマ好きな人が観たら、「この人の演技、ひどいねぇ……」とつぶやくこと間違いなし。

 草なぎの使い方、テレビ局各局は今一度考え直したほうがいいと思う。彼には彼の持ち味がある。芸能界でも類まれなる「雰囲気」がある。でも、決して知能指数が高い天才の役柄ではない。断言しておく。つうか誰もがそう思っている。そして主役級の演技力ではない。稲垣吾郎が着々と「名脇役」への道を歩き始めているのをぜひ見習ってほしい。
 
 で、今度はキムタク主演ときたもんだ。よく年度末には妙に道路工事が増えたり、警察の交通違反取締件数が増えたりするんだけど、テレ朝のこの流れはそれに似たニオイがある。3月中にとりあえずやっちゃって、なんとか帳尻合わせておかなくちゃ、みたいな。接待キャスティングでも、ドラマそのものの中身が面白ければいいんだけどねぇ……。
(文=吉田潮/ライター・イラストレーター)

●吉田潮(よしだ・うしお):
ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)、「ラブピースクラブ」(ラブピースクラブ)などで連載中。主な著書に『2人で愉しむ新・大人の悦楽』(ナガオカ文庫)、『気持ちいいこと。』(宝島社)、『幸せな離婚』(生活文化出版)など。カラオケの十八番は、りりぃの「私は泣いています」、金井克子の「他人の関係」(淫らなフリつき)など。