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プロバイダー業界、ファンド主導でなぜ再編加速?富士通、“内紛の火種”ニフティ売却検討

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富士通本店(「Wikipedia」より/Hykw-a4)
 インターネット接続(プロバイダー)業界の再編が加速している。富士通がプロバイダー子会社、ニフティの売却を検討している。投資ファンドの日本産業パートナーズが受け皿として有力視されているが、NECは3月に子会社NECビッグローブ株式をすでに日本産業パートナーズに売却し、4月1日付けでビッグローブに社名を変更した。2月には、UCOMと丸紅アクセスソリューションズが合併してアルテリア・ネットワークスが発足している。

 ニフティは1986年、富士通と日商岩井(現・双日)が共同で設立し、99年には有料接続会員数が269万人と国内トップだった。その後、日商岩井が撤退し富士通の子会社となり、06年12月に東証2部に上場した。現在、富士通はニフティ株式の66.5%を保有する筆頭株主だ。

 携帯電話通信事業者(キャリア)系大手や無料ネット接続サービスを利用するユーザーが増え、ニフティをはじめとする独立系の有料プロパイダーは利用者が年々減少。ニフティの13年12月末の有料会員数は151万人まで減った。

 ニフティは黒字経営とはいえ、14年3月期の売上高は前期比9.3%減の720億円、営業利益は同10.6%減の50億円と減収・減益の見込み。期初には横ばいを予想していたが、ネット接続事業の落ち込みが響いた。

●プロバイダー再編の主役

 これまでネット接続はパソコンの独壇場だったが、スマートフォン(スマホ)の普及によってこの構造が崩れ始めたことが、プロバイダー業界の再編の背中を押した。

 パソコンメーカーの事業再編で存在感を増してきたのが日本産業パートナーズだ。同社は02年にみずほ証券、NTTデータ、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが共同で設立したファンドで、これまで大企業が切り離す事業部門や子会社に投資してきた。12年3月期にはみずほフィナンシャルグループの関連会社から外れ、独立系ファンドとして活動している。これまで、ファミリーレストランの「すかいらーく」に出資、オリンパスから情報通信子会社ITXの事業譲渡を受けている。

 そして今年に入り、ソニーが「VAIO(バイオ)」ブランドで展開するパソコン事業の売却先に日本産業パートナーズを選んだことから、知名度が上がった。96年に登場したVAIOにはソニーが誇る最新の映像・音響技術が注ぎ込まれており、その色使いと洗練されたデザインは米アップルの創業者、スティーブ・ジョブス氏に影響を与えたといわれている。日本産業パートナーズは、ソニーのパソコン事業買収について「将来的な成長と収益力の強化を目指す新会社を支援することで、VAIOファンの期待に応えたい」とのコメントを出している。

 日本産業パートナーズは、続いてNECからビッグローブを買収した。富士通からニフティを買収した暁にはニフティとビッグローブを経営統合し、さらにソニーの完全子会社ソネットとの連携も視野に入れている。パソコンメーカー系プロバイダーの再編を主導することになる。