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海外銀行による初の邦銀買収の舞台裏 機運高まる地銀再編、シナリオに外銀カードも

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東京スター銀行の店舗(「Wikipedia」より/Sasasasawnaunda)
 首都圏を地盤とする地方銀行の東京都民銀行と第二地方銀行の八千代銀行は10月、共同持ち株会社方式で経営統合する。持ち株会社の名前は東京TYフィナンシャルグループだが、この経営統合にどの金融機関が新たに合流するのかという点に注目が集まっている。

 東京には全国の地方銀行、第二地銀の支店がひしめき合っており、首都圏に本店がある地銀、第二地銀は厳しい経営に直面している。

 埼玉県に本店を置く唯一の地銀、武蔵野銀行(加藤喜久雄頭取)は100店舗態勢(2013年9月末で94店舗)の方針を掲げ、4月に東京・東村山市に置いていた西東京オフィスを支店に昇格させた。都内での支店開設は37年ぶりのことだ。東京・練馬区にも支店を出す予定。武蔵野銀行の大株主は三菱東京UFJ銀行で、三菱東京主導で再編が進む可能性もある。

 千葉興業銀行(青柳俊一頭取)はみずほ銀行が筆頭株主だが、東京TYの東京都民銀行はもともと日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ系)の地銀のため、みずほFGとは地縁がある。

 関東つくば銀行と茨城銀行が合併して設立された筑波銀行(藤川雅海頭取)は、有力な合併予備軍といわれている。

 第二地銀では京葉銀行(本店千葉市、小島信夫頭取)、東和銀行(本店前橋市、吉永國光頭取)、東日本銀行(本店東京・中央区、石井道遠頭取)が注目されている。東日本銀行は茨城県が発祥だが、東京都が主な営業圏で都内に46店舗あり、東京TY誕生の影響を直接受ける。ちなみに三井住友銀行が大株主だ。

 非上場の第二地銀には神奈川銀行(本店横浜市、清水三省頭取)がある。横浜銀行(寺澤辰麿頭取)と関係が深く、神奈川県外に店舗がないことから影響は少ないとの見方もある。

 以上から、東京TYと営業地盤が重なる東日本銀行、みずほ銀行が筆頭株主の千葉興銀が東京TYと合流する可能性が高いとみられている。

●台湾・中国信託商業銀行、東京スター銀行買収へ

 そんな中、台湾・中国信託商業銀行(台北市)による東京スター銀行の買収に対して5月中にも金融庁の認可が下りる見通しが濃厚になってきている。このため地銀再編に外銀という新たなカードが加わる。

 東京スター銀行は投資ファンドのマネーゲームのカードだった。前身は東京相和銀行で「銀座・赤坂の“お水”(水商売)のメインバンク」と呼ばれていたが、1999年6月12日、当時の金融再生委員会が東京相和銀行の経営破綻を認定した。破綻の際には8000億円の公的資金が注入された。首都圏を中心に101店舗を持ち、99年3月末の預金量は2兆3000億円で、当時、第二地銀第5位の企業規模だった。その内実は長田庄一会長のワンマン経営だったため、「長田商店」といわれていた。