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リクルート、多額上場益を得る社員続出? 大型上場前から、早くも関連銘柄が人気に

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リクルートホールディングス本社が所在するグラントウキョウサウスタワー(「Wikipedia」より/Kure)
 リクルートホールディングスが10月をメドに東京証券取引所1部に株式を上場(IPO)する。上場時の時価総額は1兆円を超すとみられており、2013年7月に上場したサントリー食品インターナショナルや、今年4月に再上場した西武ホールディングスを上回る大型上場になる。リクルートは14年3月期の連結売上高は1兆1915億円、当期純利益が854億円の優良企業であり、株式市場に大きなインパクトを与えることになる。

 リクルートの株主構成は公表されていないが、持ち株会社制に移行前の11年3月期時点の筆頭株主は、リクルート社員持ち株会(持ち株比率13.89%)であった。当時、同社の株式所有者別状況には特異な点があった。「個人その他」が304人で、その保有割合が37.38%に上っていたことだ。そのため、リクルートが上場すれば多額の上場益を得る社員が続出するのではないかといわれている。

 現在、同社の株主名簿には社員の個人株主のほかに、取引銀行9行と取引先52社が名前を連ねている。印刷会社や製紙会社、広告会社、在京のテレビ局などと株式の持ち合いをしている。

 上場に先立ち、株式市場では早くもリクルート銘柄に買いが入った。代表例は大日本印刷、凸版印刷、図書印刷などの印刷会社である。リクルートでは「ホットペッパー」(飲食店情報)、「タウンワーク」(求人情報)、「じゃらん」(旅行情報)、「ゼクシィ」(結婚情報)など多くの情報誌を刊行している。印刷会社は情報誌を印刷するという事業を手掛けている。また、製紙会社の王子ホールディングスや日本製紙、大王製紙は雑誌用の紙を供給している。

 リクルートは2000年代からインターネットに軸足を移し、02年にはNTTデータと資本・業務提携した。「じゃらんネット」や「ホットペッパーグルメ」、「ポンパレ」(飲食店の割引チケット)、「SUUMO」(住宅情報)などのサイトを運営している。

 リクルートの大きな転機になったのは07年である。人材派遣業界の最大手、スタッフサービス・ホールディングスを買収することになり、業界を驚かせた。買収額は1700億円。リクルートは当時、求人サイト「リクナビ」や転職サイト「B-ing」をはじめとする求人広告や転職支援などの人材紹介事業では国内トップだったが、人材派遣事業の知名度は低かった。スタッフサービスの買収をきっかけに、人材派遣の分野で国内トップへと駆け上がった。

●リクルートの大株主

 またリクルートは同じく07年から、広告会社やテレビ局との資本・業務提携に乗り出した。同年1月、電通と資本・業務提携した。電通とはすでに合弁会社を設立しており、フリーペーパーの草分けの「R25」や「ホットペッパー」などで共同事業展開している。同じく1月、三井物産と資本提携し、07年から08年にかけて、TBS、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日と株式を持ち合い、新規ビジネスの開発を目指した。08年には博報堂DYホールディングスと提携して、新しい広告手法やマーケティングの共同開発に取り組んできた。すでに株式の持ち合いを解消している会社もあるが、多くは現在でもリクルート大株主だ。

 リクルートの法人株主は、印刷・製紙などの古くからの株主と、広告・テレビ局などの新しい株主に大別される。6月8日付「日経ヴェリタス」(日本経済新聞社)は、リクルートの株価が2万円になった時の各株主の含み益を算出している。それによると、凸版印刷の含み益が557億円、大日本印刷のそれが543億円となっている。いずれも古くからの株主なので、帳簿上の取得価格は低いため、リクルートが上場すれば含み益は大きくなるが、リクルートと取引を継続しているため、もちろんすぐに売却できるわけではない。