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変わる小売店のレジ 無料で導入、他サービスとの連携で付加価値拡大、将来は業務効率化の可能性も

編集部

 小売店のレジに変革の波が押し寄せている。従来型のPOSレジシステムは高機能である半面、初期費用や、ランニングコストが高いため、小規模の小売店では導入に踏み出せない店舗も少なくなかった。だが、近年では、アップルのiPadなどのタブレットPCを活用したアプリによって、レジシステムを構築しようという動きが広がっている。ユビレジが提供する「ユビレジ」や、NTT東日本の「ラクレジ」など、さまざまなレジアプリサービスが台頭してきているのだ。

 にわかに盛り上がってきたレジのアプリ化において、最も注目を集めているのが、リクルートライフスタイルが提供するPOSレジアプリ「Airレジ」だ。初期費用や月額料金などのコストが一切かからずにPOSレジシステムを導入することができるとあって、特にこれまでレジシステムを使用できなかった小規模な小売店などからの引き合いが相次いでいる。昨年11月のサービス開始からわずか4カ月余りで、登録アカウントは4万、実際に導入している店舗も3万店を記録している。

 このアプリを開発した大宮英紀氏は、2007年にリクルート入社後、クーポンサイト「ポンパレ」の立ち上げや旅行情報サイト「じゃらんnet」の運営などに関わった人物。大宮氏のこだわりは、Airレジの導入によって、小規模店舗がコスト面でのメリットだけでなく、グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」やリクルートポイントが貯まる決済アプリ「Airウォレット」など、同社が提供する他サービスとの連携によって、集客的なメリットを受けられることにある。

「最終的には、お店に対する集客面でのサポートを行うことも視野に入れていますので、Airレジを起点にして、店舗のみなさまが『本来やりたい仕事』つまり、来店者へのおもてなしに注力できるようサポートするツールに育てていきたいと考えています」

 大宮氏はこのように語り、単なるレジシステム以上のサービスに育てていこうという意気込みが感じられる。

●今後も付加価値の拡大を模索

 そんなAirレジでは今月、鮮魚に特化した物流企業である八面六臂との提携を発表。今秋より、Airレジ上で、八面六臂のサービスを利用できるようになる。同社はiPadを利用したASPサービス【編註:ネット上でアプリケーションを提供するサービス】「八面六臂」によって、独自の流通網から飲食店への鮮魚配送サービスを行っている。今回、同じくiPadを使用したAirレジと連携することによって、ディスプレイ上では同一サービスであるかのようにつながり、ITが不得意なAirレジユーザーにも、八面六臂の新鮮でおいしい魚介類を提供することが可能になる。だが、大宮氏の見つめる方向は、両者のサービスを足し算しただけの業務提携にとどまらない。

「将来的には、お店個々の売り上げや売れ筋の情報、お客様の属性や来店見込み数などに応じて、おすすめ商品を提案したり、商品の自動発注につなげていきたいと考えています」と、この連携によって、新たなユーザーに対する付加価値を模索している。また、今後は八面六臂以外にも、さまざまなサービスと連携することで小売店に業務の効率化を提供していく方針だ。

 同社では、導入店を15年3月までに10万店まで増やすべく、ユーザー満足度の向上を図っている。業務支援や集客支援など、単なる“無料で使えるレジアプリ”にとどまらないAirレジは、今後も可能性が広がっていくことだろう。
(文=編集部)

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