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リクルート上場“狂騒曲” 億万長者社員続出?株主の中堅企業、株価上昇期待で関心集まる

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リクルートホールディングス本社が所在するグラントウキョウサウスタワー(「Wikipedia」より/Kure)
 8月8日、リクルートホールディングス(HD)は東京証券取引所に上場を申請していることを正式に発表した。早ければ10月にも東証1部に上場する見通しだ。大型の新規上場銘柄として人気を集めることになり、上場時の時価総額は1兆円を超えるとみられている。

 リクルートHDの大株主は社員持ち株会、取引先の大日本印刷、凸版印刷、三井物産、電通、NTTデータ、日本テレビ放送網、王子製紙、図書出版、共同印刷、CAC Holdingsなどだ。株式市場が注目しているのは、時価総額が小さい企業。リクルートHD株の公開に伴う含み益が生じ、それが株価への大きなインパクトになると考えられているからだ。発行株式総数は6013万株。時価総額1兆円から逆算すると1株1万6630円の株価になる。長く株を保有している企業は過去に安い値段で取得しているので、リクルートHDの上場で大きな含み益が生じる。

 特に株価への影響が大きいとみられているのが図書印刷、共同印刷、CAC Holdings(以上、東証1部)の3銘柄だ。

 図書印刷は凸版印刷傘下の印刷会社。リクルートHD株の保有株式数は90万株で、取得価格は1株1171円。簿価は10億5390万円である。上場時の株価を仮に価格1万6630円とすると、保有株の時価は149億6700万円になる。簿価との差額139億1310万円が含み益になるが、時価総額449億円(8月29日現在)の同社にとっては大きな額となる。

 国内総合印刷3位の共同印刷は、リクルートHD株を1株1210円で10万株保有している。単純計算で保有株の時価は16億6300万円、簿価との差額である含み益は15億4200万円となり、時価総額346億円(同)の同社にとって大きい。

 CAC Holdingsは小学館が筆頭株主のシステム開発会社で、1株6800円で30万株を保有している。保有株の時価は49億8900万円で含み益は29億4900万円、同社の時価総額は286億円(同)となっている。

 リクルートHDの上場により、これらの企業の株価が上昇する可能性もあり、投資家をはじめとする市場の関心を集めている。

 リクルートHDが大株主の総合ポータルサイト運営会社、オールアバウト(東証ジャスダック)も関連銘柄として上昇する可能性があり、注目を集めている。リクルートHDは29.9%、402万株を保有する第2位の株主で、大日本印刷(保有比率32.0、430万株)が筆頭株主になるまでオールアバウトはリクルートの子会社だった。

●特異な株式所有状況


 リクルートHDは現在未上場のため、株主構成は公表されておらず、直近で公にされているのは、持ち株会社に移行する前のリクルートの2011年3月期決算である。11年3月末時点における筆頭株主はリクルート持ち株会で、保有比率は13.89%だった。所有状況で特異な点は「個人その他」が304人で2248万株、保有割合が37.38%に上っている点だ。「その他」には社員持ち株会や元役員の持ち株が含まれている。

 上場価格を1株1万6630円で計算すると、「個人その他」は時価3738億円の資産を保有することになるが、これが持ち株会を通して株を保有している社員から億万長者が続出するといわれているゆえんだ。役員の持ち株も記載されているが、役員では当時の柏木斉社長が5.3万株で最も多かった。現在の社長である峰岸真澄取締役は2.5万株だった。株式上場に先立ち目論見書が公表される時、株主名簿の全容が明らかになる。
(文=編集部)

【続報】
 リクルートHDは10月16日に東証第1部に上場する。国内外で新株発行などにより最大1000億円を調達。海外でのM&A(合併・買収)やIT(情報技術)人材の確保を進める。上場時の時価総額は1兆6000億円に膨らみそうだ。今年の新規上場で最大となる。大株主の三井物産などが保有株を売り出すほか、リクルートHDも公募増資と自社株売却を予定している。売り出し価格は1株あたり2800円を予定しており、10月6日に最終決定する。

 根岸真澄社長は「2020年に人材情報・紹介分野で世界一になる」ことを目指している。しかし、海外売り上げの比率は20%にとどまる。株式公開をテコに、海外企業のM&Aを加速し、海外市場で存在感を高めたいとしている。9月10日に公表された15年3月期の業績予想では、連結売上高は前期比8%増の1兆2900億円、経常利益は3%増の1260億円となっている。