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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」(11月23日)

危険な食品の実態 菌汚染肉・廃棄肉・豚内臓使用、放射能含有、虫や金属片混入…

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「Thinkstock」より
 マックが期限切れ鶏肉問題に泣いた――。

 10月初旬、日本マクドナルドホールディングスは、2014年12月期業績見通しで、売上高が2210億円と前期比15%減、営業損益が01年上場後初の赤字(94億円)になると発表した。業績悪化の最大要因は、7月末に仕入れ先の中国企業による期限切れ鶏肉使用問題が発覚したことにある。それを機に、客足は一気に遠のいた。

 日本の消費者には、02年以降相次ぐ野菜の農薬残留問題、08年の冷凍餃子中毒事件などによって、「中国産食品=危ない食品」という図式が脳裏に染み込んでいる。
 
 だが、中国産だけが問題なのだろうか。食の安全問題を考える上では、07年に発覚した北海道の食肉卸企業・ミートホープによる牛肉コロッケ偽装事件【編注1】を忘れるわけにはいかない。
 

●危ない食品の元祖


 ミートホープ牛肉コロッケ偽装事件は、(1)偽装方法の多種多彩さ、(2)実質10年以上偽装を実施、(3)全国的な取引、つまり確信犯的な悪質さ、長期にわたる社会的な影響度合いの強さと広がりなどの点で、類似の食品偽装事件の中でも群を抜く。最終的に同社は自己破産し、代表者は不正競争防止法と詐欺の罪で、懲役4年の実刑判決を受けたという意味でも、これは重大な食品偽装事件として象徴的である。

 特に興味深いのが、その(1)偽装方法の多種多彩さである。コロッケに使われる牛肉、つまり牛の挽き肉(ミンチ=細かくひいた肉)にコストの安い豚挽き肉、ラム(子羊)挽き肉、鶏挽き肉、鴨挽き肉、挙げ句は豚内臓肉まで混入させていた。農林水産省関連の商品テスト実施機関が、同社から仕入れた挽き肉を原料とする冷凍コロッケ(北海道加ト吉製)を調べたら、29例のうち、表示通りに牛肉が使われていたのはわずか4例だった。

 それどころか、水やパンくずを増量材にし、サルモネラ菌などの汚染肉も加熱すれば問題ないとして混入させた。わざわざ廃棄した肉を仕入れ、工場の床に落ちた肉も使う。くず肉に化学調味料を加えて味を良くする……。賞味期限の改ざんや外国産を国産と表示する産地偽装もごく当たり前で、不適切な作業が日常化していた。

 同社は事件発覚の20数年前から豚挽き肉に焼き豚のくずを混入させていたが、牛挽き肉偽装を始めたのは事件発覚の10年ほど前からだ。偽装牛挽き肉は事件発覚までの1年間で417トン販売され、それが最終的に9800トンの冷凍食品や総菜になり、スーパーなどで消費者に売られた【編注2】。