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ケンタの危機、コンビニ・チキンに“潰され”赤字転落 ピザハットも大量CMでも惨敗

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ケンタッキー・フライド・チキンの店舗(「Wikipedia」より/Mariemon)
 コンビニエンスストアのレジ横には、揚げたてのチキン、いれたてコーヒー、ドーナツ専用ケースなどが並び、次々と飲食とサービスのメニューを拡大し続けている。店舗数が多いこともあり、外食チェーン各社にとっては脅威となり、コンビニの“領海侵犯”に対抗してボーダレスな戦いが始まっている。

 そんな外食チェーンの一社であるケンタッキー・フライド・チキン(KFC)を展開する日本KFCホールディングス(HD)の2015年3月期連結決算は、11年ぶりに最終赤字に転落した。売上高は前期比1.4%増の846億円と久しぶりにプラスに転じたが、営業利益は63.2%減の6億7000万円と大きく落ち込み、最終損益は5億2400万円の赤字(前期は4億4100万円の黒字)となった。同社は宅配ピザを手がけるピザハット事業の収益が悪化。不振店舗の減損損失を計上したのが響いた。赤字は鳥インフルエンザの影響を受けた04年11月期(10年から3月に決算月を変更)以来だ。

 主力であるKFC事業の売上高は680億円(前期比1.4%増)、営業利益は60億円(同3.1%減)。チキン以外の新商品やカフェ形式の新形態店舗を出した効果はそれなりにあったが、減益に歯止めがかからなかった。ピザハット事業は売上高が159億円(同0.1%増)、営業利益は11億円の赤字(前期は3600万円の赤字)。持ち帰り需要を開拓するためにテレビCMや半額キャンペーンを実施したが増収効果は小さく、経費増を補うことができず、赤字幅が拡大した。

 16年3月期の売上高は900億円、営業利益15億円、当期利益6億円の黒字転換を見込んでいる。10年3月期には1248億円の年商があった。数字を見る限り、コンビニに対する巻き返し作戦が成功していないことがよくわかる。

コンビニの侵食


 三菱商事の子会社であるKFC HDが克服すべき重要な経営課題は、コンビニに流れた顧客をいかに呼び戻すかである。長らくフライドチキンはKFCの代名詞という時代が続いたが、その牙城にコンビニが殴り込んできた。

 まず、04年10月、ファミリーマートがフライドチキンを刷新。年間6000万本を売り上げ、販売本数はKFCに続き国内2位となった。さらにローソンもフライドチキンに参入し、半年で2000万本の売り上げを記録した。以来コンビニ・チキンは快進撃を続け、今やファミマの「プレミアムチキン」とローソンの「黄金チキン」は2大ブランドだ。

 プレミアムチキンは190円。KFCのオリジナルチキンが1ピース250円なのに対して低価格で対抗した。一時は品薄となるほどの人気商品となり、13年には前年比2割増の2億6000万本を売り上げた。続いて13年10月には、ローソンが黄金チキンを発売した。