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新社長2年目の正念場
一方、コンビニのフライドチキン市場への侵食に、KFCが手をこまねいているわけではない。14年4月、三菱商事で生活産業グループCEO(最高経営者)補佐を務めた近藤正樹氏が、持ち株会社制の移行に合わせてKFC HD社長に就任した。コンビニとの「ボーダレスな戦い」(近藤氏)の陣頭指揮を執るためだ。
三菱商事出身の渡辺正夫前社長時代にも、アルコール飲料を提供する新業態店や「鶏から亭」と銘打った初の持ち帰り専門店を展開したが不発に終わった。新社長に就いた近藤氏は次々と巻き返し策を繰り出した。ピザハットの商品開発を社長直轄に置いた。ピザハットでは14年10月、イートインや持ち帰りに特化した新業態店「ピザハットExpress(エクスプレス)」を沖縄県うるま市にオープン。テストの結果を見極めた上で、全国展開を視野に入れている。
KFCでは通常メニューに加え、コーヒーや紅茶、スイーツを充実させた新業態店を14年11月に神戸市にオープン。今後、立地条件を見ながら、ほかの地域で展開することを考えている。コンビニコーヒーに流れる、いれたてコーヒー需要の取り込みを狙う。さらに15年半ばをめどに商品のネット予約販売を本格的に導入し、利便性でもコンビニに対抗する構えだ。
コンビニ撃退に打って出た近藤新社長の初年度の成績は不本意なものだった。ピザハット事業は年間を通じてテレビCMを打ったが、経費倒れで惨敗した。社長直轄の新商品が出てくるのはこれから。コンビニに奪われたフライドチキンの首位の座を奪取できるのか。2年目の正念場を迎える。
(文=編集部)
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