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町田徹「見たくない日本的現実」

腐敗まみれFIFA汚職、日本でも同類事件が未解明 私腹肥やす幹部へ広がる世界的包囲網

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FIFAワールドカップのトロフィー(「Wikipedia」より/Dddeco)
 今週初め(6月7、8日)にドイツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の重要なテーマのひとつとして、FIFA国際サッカー連盟)の汚職事件が取り上げられた模様だ。

 本稿執筆段階(6月7日)では結果はわからないが、事前のNHK報道によると、キャメロン英首相はサミットの場で、毎年1兆ドル(約125兆円)規模の汚職事件が世界で発生して経済成長の阻害要因になっていると指摘。汚職の根絶を訴える考えという。

 そこで日本の戦後史を振り返ると、今回のFIFA汚職と構図が似ている事件として挙げられるのが、「総理の犯罪」として社会を揺るがせたロッキード事件と、小説『不毛地帯』(作・山崎豊子)のモデルになったダグラス・グラマン事件だろう。2つの事件は、いずれも40年以上も前の高度経済成長期に起きたもので、航空機の選定をめぐって大物政治家たちが暗躍したとされる事件だ。

 言い換えれば、今回のFIFA事件は、途上国に進出した多国籍企業がなりふり構わずビジネスを展開する悪しき慣行が、今なお世界にはびこっている事実を浮き彫りにした。こうした闇が一掃される日は、到来するのだろうか。

 今年のG7サミットは、7、8の両日、ドイツ南部のエルマウで開かれた。外務省などの事前情報によると、議題としては7日の前半部分で世界経済と成長、G7共通の価値観を話し合う。そして、同日夜(日本時間8日未明)からはG7諸国に共通の課題となっている外交問題を取り上げて、ウクライナ危機、南シナ海における中国の海洋進出問題を討議。最終日の8日には、気候変動、エネルギー、女性、開発の各問題で意見を交わすことになっているという。

 サッカーといえば世界的に人気の高いスポーツだけに、首脳たちがG7サミットで共通の話題として取り上げることも多い。筆者がクリントン大統領ら米国代表団随行記者として現地取材した1998年のバーミンガム・サミットでは、当時のトニー・ブレア英首相の提案で、サッカー観戦のため会議日程が急きょ短縮されるという珍事まであった。また、2012年のキャンプデービッド・サミットでは、欧州チャンピオンズリーグの決勝戦をテレビ観戦する首脳たちの姿がネット上に公開された。

 今回のサミットでは、サッカーの母国の首相として、キャメロン首相がFIFAの汚職事件を取り上げる考えらしい。NHKが6日付のニュースで、同首相は「汚職の根絶に向けて、国際的な取り組みを呼びかけることにしている」と報じている。