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ベネッセ、本当の危機 会員減少が止まらず深刻化 ライバルの草刈り場に

文=編集部
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ベネッセ、本当の危機 会員減少が止まらず深刻化 ライバルの草刈り場にの画像1ベネッセホールディングス本社(「Wikipedia」より/Lim0)
 タブレット端末で学習することが当たり前の時代になった。学習塾での授業の映像や教材を端末に保存し、自宅へ持ち帰って勉強する。かつて通信教育は添削したペーパーをやりとりしたが、タブレットがこれに取って代わった。通信教育最大手ベネッセホールディングス(HD)が、顧客情報の大量流出事件に端を発した会員減少に歯止めがかからないのは、タブレッド時代に乗り遅れたことが原因だといわれている。

 ベネッセHDの看板商品である通信教育講座「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」の通信教育講座の会員数は、この1年間で25%も減った。14年4月に365万人だった会員数は昨年7月の顧客情報流出事件発覚を受け、同年10月に325万人に減少。情報管理の強化などで影響は薄らぐかと思われたが、最大の商戦である新学期シーズンでつまずいた。15年4月時点の会員数は271万人まで落ち込み、1年間で94万人減った計算だ。

 会員数減少の影響を受け、15年3月期連結最終損益は107億円の赤字(14年3月期は199億円の黒字)に転落。通期の純損失は1995年の上場以来初で、会員に金券を送るなどした事故のお詫び費用306億円を特別損失として計上したのが響いた。売上高は前期比0.7%減の4632億円、営業利益は18.4%減の292億円だった。

 主力の国内教育事業の売上高は2388億円、営業利益が262億円。「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数の減少で、売上高は前期より146億円(5.8%)減となり、営業利益は62億円(19.4%)減と大きく落ち込んだ。会員数が大幅に減ったのは、顧客情報の流出事件を受けて新規会員の募集や会員獲得の柱だったダイレクトメール(DM)送付を自粛したためだ。

 情報流出事故発覚直前の昨年6月、日本マクドナルドホールディングス会長だった原田泳幸氏がベネッセHDの会長兼社長に就いた。創業者の福武總一郎氏が、ダブレット通信教育を柱に据えたビジネスモデルに転換させるために「プロ経営者」の原田氏を招聘した。原田氏は「脱DM」の方針を掲げ、学習相談などに気軽に訪れることができる店舗「エリアベネッセ」などを展開する戦略を打ち出したが、期待されたほどの効果はなかった。

 ベネッセはDMの効果的な活用で通信教育最大手に躍進した過去を持ち、DMによる勧誘は1月に再開したが、新規会員の獲得活動が手薄になり、ライバルの草刈り場となった。

ライバルは伸長

 タブレット通信教育で先陣を切ったジャストシステムは業績を大きく伸ばした。タブレット端末を使った小・中学生向け通信教育「スマイルゼミ」が好調で、最高益を更新した。15年3月期の連結売上高は前期比4.6%増の177億円、営業利益は10.9%増の45億円、純利益は13.5%増の32億円だった。

BusinessJournal編集部

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