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日焼け止めは危険!皮膚がん、ホルモン異常、生殖機能低下の恐れ

文=村上純一/医療ジャーナリスト
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日焼け止めは危険!皮膚がん、ホルモン異常、生殖機能低下の恐れの画像1「Thinkstock」より
 強烈な紫外線が降り注ぐシーズンとなり、日焼け対策をしている人も多いでしょう。日焼けが健康的であると思われていた数十年前とは異なり、「美白」という言葉が生まれるなど、今では「白いほうが美しい」との価値観が広まっているように思えます。

 確かに、紫外線は皮膚にとって有害であり、なるべく浴びないほうがよいといえます。紫外線を多く浴びると、遺伝子レベルで傷がつき、皮膚がんの危険が高まります。

 日光を浴びて生きてきた人間には、それに対応する機構が備わっており、傷ついた遺伝子は通常48時間ほどで修復されます。修復される前にさらにダメージを負った場合や、通常の修復機構で修復できない場合にも、ヌクレオチド除去修復という強力な修復機構が作用し、細胞のがん化を防ぎます。それでも修復できないほど強い紫外線を浴びた場合や、長年大量の紫外線を浴び続けた場合に、遺伝子の中で細胞が異形化して皮膚がんの原因となるといわれています。

 また、強い刺激を受けた肌は、メラニンが過剰につくられ、シミやそばかすとなって現れます。このようなシミやそばかすの発生を防ぐために、日焼け止めを塗る人は多いでしょう。実際、頭打ち傾向が続く化粧品業界にあって、日焼け止めは猛暑の影響も受けてここ数年大幅に売り上げを伸ばし、400~500億円の市場規模になっています。

 しかし、紫外線対策として安易に日焼け止めを塗るのは危険です。なぜなら、市販されている日焼け止めのほとんどに、皮膚がんを起こす可能性がある成分が含まれているからです。

危険な日焼け止め

 日焼け止めには大きく分けて紫外線吸収剤、紫外線散乱剤の2種類があります。

 紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱エネルギーに変えて放出し、紫外線が肌へ届かないようにします。透明なタイプが多く、日焼け止め効果が高いのが特徴で、化学合成化合物でできています。主成分であるオキシベンゾンはアレルギー反応を起こしたり、ホルモン異常を起こす可能性が指摘されています。また、パラアミノ安息香酸やプソラレンは皮膚がんを引き起こす可能性が指摘されています。

 もう一つの紫外線散乱剤は、酸化チタンを主成分として、紫外線を散乱させて肌への侵入を防ぎます。酸化チタンは人体への影響が小さいと考えられていましたが、東京理科大学が行ったマウス実験によると、子どもの脳や精巣に粒子が入り込み、細胞死や生殖機能低下を引き起こすことがわかりました。世界保健機関(WHO)も、「酸化チタンには発がんの可能性がある」と指摘しています。さらに酸化亜鉛もよく使用されていますが、こちらも発がん性が指摘されています。

 どちらのタイプも、最近は超微粒子化しており、肌の奥深くまで浸透しやすくなっています。また、体の広範囲に塗るため、全身の皮膚から吸収することになります。食べ物に気を使っている人でも、口に入れない場合は注意が甘くなりがちです。しかし、経皮吸収経口吸収以上に毒性が体に回りやすく、気をつけなければなりません。

「無添加」と記載されていても、発がん性物質が含まれている製品は数多くあります。また、英科学雑誌「ネイチャー」によると、「日焼け止めは日焼けを防ぐことができても、皮膚がんは防げない」との報告がありました。

 紫外線を防ぐには、日傘や長袖などで直射日光を防ぐことが一番といえるでしょう。

村上純一/医療ジャーナリスト

村上純一/医療ジャーナリスト

医療ジャーナリストとしてWEBメディアを中心に執筆中。

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