逆転が生じたのは7月24日。前日発表のアマゾンの15年4~6月期決算が、営業損益、最終損益ともに黒字転換したことが好感され、アマゾンの株価は10%近く急上昇した。24日の終値で計算した時価総額は2,465億ドル。ウォルマートを160億ドル上回った。
米調査会社ファクトセットによると、アマゾンが上場した1997年時点で、ウォルマートが時価総額で100倍以上の差をつけていた。アマゾンは18年かけて逆転したことになる。
売上高はウォルマートがアマゾンの5倍あるが、アマゾンのネットショッピングの将来性と成長性に対する市場の期待が高いことを示した。
アマゾンの勢いは止まらない。投資会社、180合同会社がまとめた15年8月末時点の「世界時価総額ランキング」によると、アマゾンの時価総額は2,398億ドル(1ドル124円で換算して約29.7兆円、以下同)。前月の15位から12位にランクアップした。対するウォルマートは2,084億ドル(約25.8兆円)で17位だった。
【「世界時価総額ランキング」のトップ10】
1位:米アップル、6,430億ドル
2位:米グーグル、4,004億ドル
3位:米マイクロソフト、3,480億ドル
4位:米バークシャー・ハサウェイ、3,316億ドル
5位:米エクソンモービル、3,137億ドル
6位:インド・HDFC・バンク、2,856億ドル
7位:米ウェルズ・ファーゴ、2,737億ドル
8位:米ジョンソン&ジョンソン、2,602億ドル
9位:米フェイスブック、2,519億ドル
10位:米ゼネラル・エレクトリック、2,505億ドル
(180合同会社調べ。15年8月末の終値を基準にした時価総額)
トップ10にアップル、グーグル、フェイスブックのネット関連3社がランクインしており、それに続くのがアマゾンだ。中国のアリババ・グループ・ホールディングは30位につけている。ちなみに、日本首位のトヨタ自動車の時価総額は1,862億ドル(約23.0兆円)で23位だった。
スタバ、マック超え目前
外食業界でも逆転が起きそうだ。米マクドナルドが長らく世界の外食産業の王者に君臨してきたが、その地位が揺らいできた。8月4日付米ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版は、「スターバックスの時価総額は現在860億ドルだが、来年にはマクドナルド(950億ドル)を上回り、スタバが時価総額で世界最大の外食企業になる可能性が高い」と報じた。