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ワタミ、債務超過目前で危険水域か 飲食事業売却模索も買い手つかず…

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ワタミ本社ビル(「Wikipedia」より/Rsa)
 経営再建中のワタミは2日、将来の中核事業のひとつに据えていた介護事業を損保ジャパン日本興亜ホールディングスへ210億円で売却すると発表し、注目を集めた。同社は「居酒屋『和民』などの飲食事業に経営資源を集中するため」と説明しているが、同社関係者は「実は赤字が続く本業の飲食事業の売却を模索していた。結局買い手がつかなかったため、仕方なく稼ぎ頭の介護事業を売りに出したというのが真相。経営はいよいよ危険水域に達した」と危機感を示す。

 ワタミは全国111カ所で有料老人ホームを運営しており、後発であるにもかかわらず介護業界では大手の地位を確保している。

「今春までワタミは、本業である飲食事業の売却を検討し、複数の証券会社などを通じて買い手を探していました。しかし、人手不足のためにアルバイト社員を酷使するブラック企業というイメージ悪化が響き、飲食事業は2年続けて赤字に陥る事態となりました。この飲食事業の赤字を補填してきたのが介護事業なのです。それだけに、収益の柱である介護事業をワタミが売却に踏み切ったことは、関係者に強い衝撃を与えました」(銀行筋)

 一方で、居酒屋チェーン展開など飲食事業に詳しい関係筋は「ワタミの経営がそれだけ追い込まれているということだ」と指摘する。

「ワタミの飲食事業は今年8月まで、41カ月連続で前年を下回っています。このままでは債務超過に転落してしまうのは不可避。このため、当面の資金繰りを優先してワタミは介護事業の売却を決めたようです」(関係筋)

 ワタミにとって今後は、飲食事業の立て直しが経営再建のカギとなる。昨年4月には収益改善のため、和民のメニュー単価を15%上げて中高年層の取り込みを図った。だが、「安っぽい。うるさい」とのイメージがつきまとう和民には容易に中高年層の客は増えず、逆に値上がりのあおりで若者層の客離れが加速してしまった。結局、今年4月には再び値下げに踏み切った。

 一方で、コスト削減のためにメニューの品数を減らしたが、今度は「メニュー数が少なすぎる」とのクレームが相次いだ。このため品数を元に戻してコスト削減目標を封印するなど、その経営路線は迷走を繰り返している。

 ワタミは創業者でカリスマ経営者だった渡邊美樹氏が2年前に自民党の参院議員に転じてから急速に経営が悪化した。銀行関係者は「ワタミが経営を立て直すには渡邊氏が議員を辞め、再び経営の第一線に復帰するしかない」と指摘している。
(文=編集部)