リストには300社の実名のほか、主力取引銀行や仕入れ先が書いてあり、企業が抱える危険な兆候を「A」~「J」のアルファベットで示してある。例えば、Aは「資金面の変調・支払い遅延など」、Bは「人事変動・内紛や幹部の辞任」、Cは「企業体質の問題や不祥事」、Dは「取引先の動向変化」などといった具合だ。このA~Jの情報こそ、東京経済調査員が独自取材で入手したもので、会員企業の担当者には気になるところだ。
300社は全国の年商5億円以上の企業が対象で、中小企業が多いが、中には東証一部を含む上場企業28社や、テレビCMなどでおなじみの有名企業も名を連ねている。
・東証一部のある企業
香港の子会社で発生した137億円もの大口焦げ付きで特損計上した。
・テレビCMで有名な大手メーカー
金融機関への返済延滞状態で、資金繰り逼迫を露呈。
・美容サロンを全国展開する大手企業
従業員への今夏ボーナス全額カットを通知する一方、社長は高額な役員報酬を得て複数の競走馬を所有するなど、経営陣への批判が高まっている。
・東証一部上場の住宅メーカー
同族体制が続いており、コンプライアンスに課題を残している。
・有名大手メーカー
シンジケートローンの財務制限条項に抵触し厳しい状況。
・全国展開する有名小売り企業
担保不足な上に、今期も店舗閉鎖を予定していてさらなる減収の見通し。
このほかにも、有名メガネ販売会社や大手アパレルメーカーなどの社名も出た。なお、暴力団排除条例が全国で施行されてからもうすぐ4年が経つが、その効果は着実に表れているという。それでも、暴力団の影が残る企業はいまだ複数あり、それらも紹介された。
実態と乖離する経済指標
今回リストを発表した東京経済東京支社は、景気の概況についてこうコメントしている。