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日経新聞社が抱える「深刻な問題」 内部から「子会社たたき売り」との批判噴出

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日本経済新聞社本社(「Wikipedia」より/Jo)
 日本経済新聞社がグループ企業の売却を本格化させている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)の買収に1600億円もの巨額の資金を投じており、その原資をつくるのが狙いのようだ。日経はグループ企業を売却してFTを買収するため、単にFTの買収資金を捻出するにとどまらず、事業内容を入れ替えて収益構造をつくりかえることになる。

 帝国データバンクによると日経は子会社60社、関連会社20社を擁している。なかには本業の報道とは関連が薄いグループ企業もあるうえ、近年は収益貢献度とともにグループ内での位置づけが大きく変わった企業もある。

 そのなかで売却の候補となったのは、速報メディアやシンクタンクの子会社。未発表ながら一部については売却先も決まり、社内で決議も済ませたという。日経グループ内では末端に近い位置づけだったものを日経の直接支配に切り替えるなどして、売却への下準備を整えてきた孫会社もある。

 ただ、売却を急いでいるためか、売却金額は1社当たりわずか数億円規模。社内では「収益上の貢献があって、きちんとした資産を持っている子会社のたたき売り」「もう少し高く売ってもいいのではないか」(同社幹部)と批判される案件もあり、FT買収の原資を捻出しようと、なりふり構わぬ姿勢がうかがわれる。

 FTの買収は数年前にも浮上したことがあったが、当時日経で次期社長の座をめぐる役員間の抗争の具になってしまったこともあり、次期社長が決まるとともに買収話も自然、沙汰止みになったという。

 その結果、買収金額は当時に比べて大きく膨らみ(前回、買収話が持ち上がったときはFTのアジア部門のみが対象として俎上に上っていた)、日経は巨額ののれん代を抱えることになった。日経が抱える問題は少なくないが、FTが期待通りの収益を上げられなければ、のれん代の減損処理が新たな問題として浮上する。足元ではFTの年金削減をめぐって記者たちがストライキを起こす構えを見せており、FTの企業価値を左右する頭の痛い問題だ。

 巨額ののれん代(営業権)を資産計上して海外企業を買収し、期待したほどの収益が上がらずにのれん代を減損処理するのが、近年の日本企業の悪しきパターンでもある。