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山梨大教授、妊娠女性を強制労働・流産…医師の安静指示を無視、大学は大甘処分

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山梨大学 HP」より
 先日、山梨大学大学院の50代女性教授が、部下の女性助教に対してパワハラ(パワーハラスメント)を行ったとして、減給の懲戒処分を受けたことが報じられた。


 山梨大学の12月21日付プレスリリースによると、教授は助教に対して、2010年10月頃から、特に14年10月頃から理由の如何を問わず、感情的な度重なる叱責行為を行っていたという。

 また、教授は学生の実習現場に一度も顔を出さず、14名の学生の指導を助教に任せ、指導教員としての責任を果たしていなかった。さらに、妊娠していた助教が、出血により医師から自宅安静を指示されたことを教授に伝えると、教授はそれを了承せず、「座って学生指導をするように」と助教を実習の指導に当たらせたという。

 助教は、再び出血した際には職務を軽減したい旨を申し出たが、教授はその申し出を拒否する発言を行い、結果的に助教は流産してしまう。助教から流産の報告を受けた教授は、助教の意に反して、一方的に助教の進退に言及する発言を行ったという。

 これらの行為によって体調を崩した助教は、今年1月に精神科を受診後、病気休暇を取得、現在は休職している。

 教授の言動も常軌を逸したものといえるが、これに対する大学側の処分が「減給(平均賃金の半日分)の懲戒処分」という、きわめて軽いものだったことから、一部では「あり得ない対応だ」「処分が甘すぎる」と批判が巻き起こっている。

 そもそも、この教授は法的責任を問われる可能性はないのだろうか? また、大学の処分は適切なものだったのだろうか? 弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP LPCの渡部貴之弁護士は、以下のように解説する。

「一連の行為について、この教授は法的責任に問われる可能性があります。参考になる裁判例としては、医科大学における教授の助手に対する行為が、『違法な公権力の行使である嫌がらせに該当する』とされたものがあります。同裁判例においては、国家賠償法上の責任が肯定され、また場合によっては教授個人の不法行為責任が生ずる余地がある旨を判示しています。

 そのため、本件においても、被害者である助教は、国に対して賠償請求できると考えられます。また、教授に対しても、不法行為に基づく損害賠償を請求できる可能性があります。

 なお、助教は教授の行為により体調を崩し、精神科を受診後に病気休暇を取得していることを鑑みると、教授の行為は、故意に第三者の心身にストレスを与えてノイローゼなどの体調不良に追い込んだとして、傷害罪(刑法204条)などに該当する可能性もあります」