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造船王国ニッポンの象徴・旧三井造船、実質解体…中国・韓国勢にまったく歯が立たず

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三井E&SホールディングスのHPより

 重厚長大の名門企業、「造船王国ニッポン」の一翼を担った造船・重機大手の三井E&Sホールディングス(以下、三井E&S、旧三井造船)が、主力のプラント設計・建設と造船の二大事業を大幅に縮小する。三井財閥の造船会社として発足した名門企業だが、中国企業や韓国企業との競争に勝てなかった。事実上の解体である。

 三井E&Sはグループ全体で従業員1000人規模の配置転換・削減と、資産売却を柱とする経営再建策を打ち出した。2020年3月期の連結純利益は、5月に発表した30億円の黒字から880億円の赤字に大幅に下方修正。3年連続赤字の見通しで、赤字幅は過去最大・最悪だ。大赤字になったのは、インドネシアの火力発電所工事で約713億円の追加損失を出したため。この工事ではこれまで2度にわたり計800億円近くの損失を計上していた。関連損失の計上は3度目となる。

 岡良一社長は11月11日の決算会見で「売上至上主義でリスクに目をつぶってしまった。深くおわびする」と陳謝した。業績悪化の責任を取り、田中孝雄会長兼CEO(最高経営責任者)は20年1月1日付で引責辞任する。      

 5月に公表済みの再建計画を見直した。船舶用エンジンや海洋ガス油田向けプラントなどに経営資源を集中させる。一方で子会社の三井E&Sプラントエンジニアリングや太陽光発電事業などを売却するほか、風力発電の建設やバイオマス発電所の国内での新設事業から撤退する。

 中国や韓国企業との価格競争激化で不振が続いている造船事業では、千葉工場(千葉県市原市)で手がける大型商船の建造で新規の受注をせず、橋などをつくる鋼構造物に特化。千葉工場の用地を売ってリース契約に切り替え、債務の削減を図る。東京湾にある千葉工場のドックはこれまで積載量30万トン級クラスの超大型タンカーなどを建造し、日本の高度成長を支えた象徴的な造船所だった。今後は艦艇が主力の玉野工場(岡山県玉野市)での中小型商船に絞り込む。

 赤字が続く造船事業をめぐっては、11月12日付日本経済新聞が「三菱重工業に提携を打診」と報じた。旧財閥系では、三井と住友が銀行や保険会社、建設などで提携を進めてきたが、三井と三菱の組み合わせはあまり例がない。三井E&Sと三菱重工の提携が実現すれば財閥の垣根を超えた再編となる。

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