
新型コロナウイルスの感染拡大を受け7日、政府は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を発出した。すでに飲食・小売り・旅客業など幅広い業界で深刻な被害が生じ、倒産する企業も相次いでいるが、ANAホールディングスが金融機関に1.3兆円の融資を求め、その一部保証を政府に要請する方針であることがわかるなど、中小のみならず大企業にも影響が出始めている。
急激な経済環境の悪化を受け、一部企業の間では今年4月入社予定だった学生への内定取り消しも広がっていることが社会問題となるなか、大手電機メーカー・パナソニックの完全子会社、パナソニック産機システムズが内定者にパワハラをはたらき、自殺に追い込んでいたことが判明した。
9日に記者会見を行った、亡くなったAさんの遺族の代理人弁護士によると、2018年に同社から内定を得たAさんら20人は、人事課長(当時)から入社後の配属先の検討にも影響する旨を伝えられた上で、強制的に毎日、内定者向けSNSへのをさせられたという。さらに人事課長は指定した本の感想を投稿するよう課題を課したほか、以下のような投稿を行っていた。
「誰がいつサイトに入っているかは人事側で見えています」
「毎日ログインしていなかったり、書き込まない人は去ってもらいます」
「無理なら辞退してください、邪魔です」
「僕は露骨にえこひいきするからね。なめるなよ」
「丸坊主にして反省を示すか?」
「ギアチェンジ研修は血みどろになるくらいに自己開示が強制され、4月は毎晩終電までほぼ全員が話し込む文化がある」
こうしたパワハラを受けたAさんは大学4年生だった19年2月、精神疾患を発病し自殺したという。
重い会社側の管理責任
今回のニュースを受け、大手IT企業管理職はこう語る。
「今は企業が就職活動中の学生や内定者に少しでも不適切な行為をすると、すぐにインターネット上で暴露され世間からバッシングを浴びるリスクがあるので、大手や中小など規模に限らず、どこの企業も細心の注意を払って学生たちに接するようにしています。以前は内定辞退を申し出た学生に、企業側が暴言を浴びせたり、所属する大学の就職課にクレームを入れたりするようなこともありましたが、最近ではかなり減ったようです。