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元パチンコホール店長が「打ってはいけない店&機種」を暴露…1パチは損するだけ?

文=山下辰雄/パチンコライター
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積み上げられたパチンコ玉(「Wikipedia」より)

 コロナ禍における営業自粛が大きく響き、2020年4月の売上高は前年同月比61.8%減、5月は同77.5%減となったパチンコ業界。6月は少し持ち直して31.3%減だったが、依然として厳しい状況は変わらない。

 そうした中で、パチンコ・パチスロファンはどうすれば勝てるのか。かつて首都圏のパチンコホールで店長を務めたK氏に、立ち回りのポイントを聞いてみた。

狙うべきホール&機種とは

「ホールの売り上げは去年7月から前年同月比で減少に転じていて、今年6月まで12カ月連続のマイナス。こうした、ホールが粗利重視で辛い調整をしやすい状況の中、勝とうと思うのが間違いです。堅実な立ち回りで負け額を減らし、長いスパンで結果的に勝てればいい、という守りの姿勢が大事になります」(K氏)

 こういうときこそ、ホール選びや機種選びにおいて正統派の立ち回りを徹底するべきだというK氏は「打つなら新台のみ。しかも、稼動のいい店。その一択です」と力説する。

 ここで言う“稼動のいい店”とは“新台の稼動がいい店”ではなく、“準新台や「海物語」シリーズを含む、全体的な稼動率の高い店”を指す。新台以外が低稼動の店は、新台の売り上げと利益で店を回しているため、新台でさえもかなりの回収モードにならざるを得ず、ユーザーは打つメリットがないのだ。

「もちろん、新台なら何でもいいわけではありません。店が大事に使うであろう『牙狼』『北斗の拳』などのビッグコンテンツや、上位メーカーの台が狙い目です。ただし、全国の台の稼動・粗利の平均値を維持できるのは新台導入から約8~9週と言われていて、不人気台は5週以内で下回ります。前評判の高い台でさえもコケる可能性があることを考えれば、導入から約1カ月が勝負です」(同)

 では、スペック面ではどこに注目すればいいのだろうか。

「確変突入率・継続率がともに60%あたりの機種や、海物語シリーズがオススメです。時速3万発ともいわれる『大工の源さん韋駄天』は荒いスペックですが、初当たり時の60.2%でRUSHに突入するので“アリ”ですね」(同)

 初当たり時の確変突入率が1%の「交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION」のような、時短突破型はオススメしないとのこと。

「荒いスペックの場合、ユーザー個人の遊技時間では確率や継続率を収束させるには全然足りないので、避けた方がいいでしょう。毎月の軍資金が少ない人や遊技時間が短い人ほど、一攫千金を狙わず、チャンスを多く得られる穏やかなスペックを打つようにしてください」(同)

「1パチ」は負けやすい?

 パチンコ業界は09年に売上高27.6兆円、粗利4.27兆円だったのが、18年には売上高20.7兆円、粗利3.38兆円まで減少。しかし、この10年間の利益率を見ると15%強を維持しているどころか、近年は16~17%と微増している。

 遊技人口や1台あたりの稼動時間が年々減っているのに、ホールの粗利率は横ばい。つまり、ユーザー1人あたりの投資と負け額が年々増えている状況なのである。そうした中で、負けやすい遊技形態としてK氏は「1パチ」を挙げた。

「4パチの4倍回る1パチなど、ほぼ皆無です。1パチのシマの機械代や人件費が4分の1になるわけではないので、売り上げが小さい1パチは粗利率を上げて補填しています」(同)

 1パチの1玉あたりの粗利は、4パチの“4分の1”ではなく“3.3分の1あたり”に収まることが多いという。微々たる差だが、1パチの平均稼動は4パチの約1.5倍もあるため、上手に使って稼動を上げれば、台によっては4パチと同等の粗利を得ることも可能なのだ【※】。

「1パチは低投資で済むので、ボーダーライン以下でも『まぁいいか』と緩い気持ちで打つ人も多く、結果的に稼動が上がりやすい。4パチではほとんど稼動しなかった台が1パチに移動した途端に稼動が伸び、しかも、相対的に高い粗利率で運用できるとなれば、店にとっては一石二鳥です」(同)

 そんな割の良くない台をわざわざ打つ必要はない、というのがK氏の持論である。また、バラエティコーナーも避けるべきだという。

「各台のコアなファンがコツコツとお金を落としてくれるのを待つのが、バラエティコーナーです。基本的に万年釘なので、しっかりと粗利を確保できる設定で使うホールが多く、あえて打つ理由はありません」(同)

 K氏の話はとても単純でオーソドックスなもの。しかし、それを徹底する立ち回りでパチンコを打っていて、果たして楽しいのだろうかという疑問が湧いてくる。

「楽しくないですよ。だから、私も店長を辞めた後はホールに足が向かなくなり、ここ1年は一切打っていません」(同)

 パチンコ・パチスロ好きが高じて、店長にまでなったK氏。そんな彼でさえも魅力を感じなくなったパチンコ業界に、再興の可能性はあるのだろうか――。

(文=山下辰雄/パチンコライター)

【※】
・玉利0.3円の4パチで稼動1万発(1時間40分)なら台粗利は3000円

・玉利0.1円の1パチでも稼動1万5000発(2時間30分)なら台粗利は1500円

・玉利0.1円の1パチでも稼動3万発(5時間)なら台粗利は3000円

山下辰雄/パチンコライター

山下辰雄/パチンコライター

パチンコライターとしてBusiness Journalにて多くの記事を寄稿。

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