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日本電産、工作機械メーカーを次々に買収…業界へ殴り込み、狙うトップの座

文=編集部
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日本電産本社(「Wikipedia」より)

 日本電産が工作機械事業に本腰を入れる。三菱重工工作機械(現・日本電産マシンツール)を8月に買収したのに続き、中堅工作機械メーカーで創立100年あまりの老舗OKKを買収する。OKKが実施する第三者割当増資を引き受ける。株式の取得額は54億円で、出資比率は67%となる。2022年1月をめどに子会社にする。OKKは調達した資金で老朽化した兵庫県伊丹市の工場を建て替える。

 OKKは自動車関連向けの中小型マシニングセンター(MC)を主力とする。日本電産マシンツールは大型工作機械に強みがあり、両社を傘下に置くことで、中小型の汎用機の製品のラインナップに厚みを増し、総合的な提案力で勝負できるようになると説明する。

 大手工作機械メーカーが海外で売り上げを伸ばすなか、OKKは国内が中心で、これが結果的に業績の悪化を招いた。OKKは最盛期には売上高436億円(1991年3月期)、営業利益58億円(07年3月期)をあげたが、グローバル化に失敗し、売り上げは急減。新型コロナ前の20年3月期の売り上げは213億円、営業利益は1億円、最終損益は91億円の赤字に転落した。

 新型コロナ禍の影響が色濃く出た21年3月期には、棚卸資産の過大計上による不適切会計が判明し、決算発表と有価証券報告書の提出が大幅に遅れた。9月、東京証券取引所はOKKを監理銘柄に指定。10月12日までに有報を提出できなければ上場廃止になる可能性があった。10月6日に発表したOKKの21年3月期連結決算は、売上高が前期比43%減の120億円、営業損益段階で27億円の赤字に転落、最終損益は引き続き24億円の赤字だった。

 22年3月期の売上高は157億円、営業損益は3億円の赤字、最終損益は11億円の赤字と、3期連続の最終赤字になる見込み。過去の決算に遡って棚卸資産を修正した結果、17年3月期から21年3月期までの有価証券報告書などの数字を修正した。一連の責任をとり、11月10日付で浜辺義男社長が退任。森本佳秀代表取締役常務執行役員が新社長に就任した。10月、監理銘柄を解除されたが、経営再建が急務である。そこで自主再建を断念し、提携先・スポンサーを探していたところ、日本電産から声がかかった。

 日本電産は永守重信会長が買収した企業の会長になり、経営改革に取り組む手法で、短期間のうちに業績をV字回復させることで知られている。日本電産流の徹底したコスト削減手法で、OKKも早期の黒字化に取り組む構えだ。今後は日本電産マシンツールの海外工場を活用し、OKKも海外の生産比率を高める方針だとしている。

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