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こうした社会背景の下、中国市場ではほかの市場では考えられないほど多数の自動車ブランドが乱立している。上海や北京の日系ディーラー経営者らは「狭い地域で顧客の奪い合いがどんどん激しくなり、経営を圧迫している」と頭を抱える。
また、北京では自動車購入の前にインターネット上でのナンバープレート取得申請が必要になるが、「少し前は倍率が10倍程度だったが、最近は15倍以上になった」(北京在住の中国人)という。交通渋滞と大気汚染に対する配慮から、地方政府による自動車販売台数の制限がさらに厳しくなっているのだ。
こうして、沿岸部での自動車販売が伸び悩む中、自動車メーカー各社が期待するのは内陸部市場だ。特に日産自動車は内陸部市場の開拓に積極的で、00年代後半から独自の販売キャラバン隊を仕立てるなど、さまざまな策を講じてきた。
しかし、株安の影響は中国全土に広がり、自動車メーカーの思惑に反して、内陸部での自動車販売も伸び悩んでいる状況だ。
IT企業が自動車市場に参入
経済成長がスローダウンする中、中国の自動車業界にはITを駆使した最新のサービス業が進出してきている。
主役は「BAT」だ。これは、バイドゥ(百度)、アリババ・グループ(阿里巴巴集団)、テンセント(騰訊控股)という、中国IT企業の御三家の総称である。
北京郊外のバイドゥ本社
BATはデジタル地図情報分野の企業買収や出資、車載器とスマホとの連携、さらに自動車のネット通販等、自動車関連産業に一気に参入してきた。
世界最大の自動車製造および販売国となった中国。次世代の自動車ビジネスでも、ITを駆使して大きな影響力を与えそうだ。
(文=桃田健史/ジャーナリスト)
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