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ソフトバンクの危機 初のシェア減、“右肩上がり神話”に陰り

文=編集部
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 そのスプリントの14年10~12月期の最終損益は、23.7億ドルの赤字。15年1~3月期の最終損失は2.2億ドルで、赤字幅は前年同期の1.5億ドルから拡大した。赤字の垂れ流しが続き、再建の道筋が見えてこない。

広がる売却観測

 そのため、市場では「ソフトバンクGは米スプリントを売る」という情報が絶えない。スプリントを1兆8000億円投じて買収した当時の為替レートは1ドル80円だった。現在は120円超にまで円安が進んでいる。単純計算で1兆円近い為替差益を手にできる計算だ。経営不振のスプリントを抱え続けるよりも、売却してその資金を他に投資するのが得策という見方も強い。

 ソフトバンクGはスプリントを買収する以前に、シンガポールテレコム(シングテル)の買収を検討していた。契約者数5億人と中国を除くアジア地域最大の携帯電話事業者だ。当時は、シングテル株主の間で事業の売却についての意見が分かれていたため、交渉は白紙に戻った。

「シングテルの買収額は2兆円規模になる。ソフトバンクGがスプリントを売却すれば、シングテルの買収資金を確保できる」(証券アナリスト)

 スプリントの4~6月期の決算発表は8月4日。ソフトバンクGがスプリントの扱いについて一定の方向性を示すのか、注目が集まっている。
(文=編集部)

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