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「証券アナリスト」たちの予想は、あてになるのか?言っていることがバラバラのことも

文=編集部

 渡辺氏は医薬品・ヘルスケア部門で3年連続トップの評価を受けている。中・小型株部門でもトップになった。同氏が高い評価を得たのは、テルモについての見通しが的中したからだ。

 テルモの株価は12年5月30日に2756円まで下落、09年2月以来3年3カ月ぶりの安値をつけた。3月下旬には4000円を上回る場面もあったが、株価が急落したのは5月10日に、12年3月期決算と13年同期の見通しを明らかにしたからだ。13年同期の営業利益の見通しは前期比5%減の600億円と市場予測を大きく下回った。

 アナリストはカテーテルの国内外での成長による増益を期待していたから、減益の見通しが明らかになり、失望売りが出て株価は急落した。

 この時、渡辺氏は「品質システムへの投資は一時的なもの。14年3月期は増益になる」との見通しを示した。そして実際、その通りになった。テルモの13年3月期の営業利益は会社見通しを大幅に下回る532億円まで落ち込んだが、14年3月期は652億円と大幅な増益に転じた。

 アナリストは四半期決算の数字に目を向けがちだ。渡辺氏は中長期的な視点に立った分析で評価を高めた。これが総合ランキングでトップになった理由だろう。

 総合評価部門で渡辺氏とトップ争いしているのが、ドイツ証券の村木正雄氏だ。証券・保険・その他金融部門で9年連続のトップである。

 総合評価部門では渡辺氏と村木氏が他を圧倒する高い評価を得ている。今後も2人のデッド・ヒートが繰り広げられることになりそうだ。

市場分析アナリスト木野内栄治氏は「株高」の予想

 東京株式市場は年初から株安が進む。株価がどうなるか気になるところだ。アナリストの予想を見てみよう。

 市場分析アナリストの人気ランキングのトップは大和証券の木野内栄治氏。13年連続で市場分析部門のトップを獲得している。88年に成蹊大学を卒業、大和証券に入社。大和総研などを経て99年に大和証券に戻る。大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。12年に第28回高橋亀吉記念賞優秀賞を受賞。景気循環学会の理事を務める。

 木野内氏の見立てでは、今年の「日本株は『意外高』の年になる」という。人民元安を起点にデフレが世界に広がる。金融緩和や財政出動などの国際的な協調姿勢が強まり、株式市場に資金が流入することをその根拠にしている。新年度入りしてからも株価が低迷している。木野内氏の言うように今が買い時になるのだろうか。

BusinessJournal編集部

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