17年3月期の売上高は前年同期比8%増の25億円、営業利益は4500万円の黒字(前年同期は1400万円の黒字)、最終利益は3500万円の黒字(同1800万の黒字)の見込み。
マンホール製造のゼニス羽田ホールディングスの株も買われた。株価は6月16日の安値148円から9月5日の高値338円まで2.3倍に上昇した。ゼニス羽田も9月5日に一時、18%超上昇して338円と、こちらも年初来高値をつけた。
同社は11年4月にハネックスと日本ゼニスパイプが経営統合。防災や雨水向けのコンクリートパイプの2次製品が主力。官需の数量が伸びず、17年3月期連結決算の売上高は前年同期比1%増の155億円、営業利益は15%減の15億円、純利益は19%減の10億円と減益の見込みだ。マンホールやカルバート(暗渠)などの電線地中化に関連したコンクリート2次製品を扱っており、無電柱化関連銘柄として買われた。
無電柱に期待感広がる
沖電気工業(OKI)の子会社、沖電線にも買いが広がった。株価は6月24日の150円から8月26日には高値250円と1.7倍になった。なお、年初来の高値は7月25日の289円である。高値更新が次のターゲットになる。
電線・ケーブル事業と放電加工機用電極線が2本柱。円高の進行で輸出採算が悪化しており、17年3月期の連結決算の売上高は前年同期比2%減の110億円、営業利益は1%増の6億円、純利益は14%増の4億円の見込み。
政府は新たに地中に埋めた電線やケーブルにかかる固定資産税を軽減することにしており、沖電線が扱う電線やケーブルの販売が伸びるという思惑から値幅取りを狙った買い物が入った。
電気通信工事最大手のコムシスホールディングス、下水道・地中工事に特化した大盛工業のほか、電気工事では中国電力系の中電工、東京電力系の関電工、関西電力系のきんでん、住友電工系の住友電設、NTTの電気通信工事を手掛ける協和エクシオなども折りに触れ物色されている。
製造業では、産業用ホースやゴムシートのタイガースポリマー、下水道向けヒューム管首位の日本ヒューム、太平洋セメント系の短形コンクリート管の旭コンクリート工業、電力やNTT向けのポール(柱)で圧倒的に強い日本コンクリート工業、九州最大手のコンクリート2次製品メーカーのヤマックス、下水用鉄ぶたや電線共同溝用鉄ぶたなど小物鋳物の虹技なども候補だ。
小池氏は、20年の東京五輪開催までに首都高中央環状線内の都道の無電柱化を完成させたい意向だ。無電柱化に踏み切れば、「小池銘柄」と呼ばれる一連の銘柄群が活気づくことになる。
(文=編集部)