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トヨタ、米国拠点移転から透ける、大量リコールの教訓と、「数を追わない」経営の深層

文=編集部
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●米国拠点移転の意味

 そこでトヨタは、そのような企業カルチャーを断ち切り、部門間の壁をなくすために、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外にあった営業、金融部門(約3000人)などの米国拠点を、テキサス州ダラス近郊プレイノに移転することを決断した。日本からの輸出で支えられてきた時代にはロサンゼルス港は重要な場所だったが、現在は拠点工場もケンタッキー州などに分散し、その中間地点としてテキサス州を選んだのも理由のひとつだ。

 トヨタのグローバル経営は、愛知県豊田市にある本社を中心に展開され、これまでは超ドメスティック(超日本的)と揶揄されて評判のよいものではなかった。その弊害が露呈したのが、先のリコール騒動でもある。トヨタは米国でも自社の企業理念と企業カルチャーの原点回帰に着手し始めたといえる。

 日本企業の中では最も国際的な社員がそろっているといわれるソニーが、真のグローバル企業になれず衰退の一途をたどる一方で、日本的といわれるトヨタが自社の失敗を契機に「持続的成長路線」を掲げ、1000万台時代の新しいグローバル企業に転じようとしている。

BusinessJournal編集部

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